デザインと後加工

2010 年 3 月 2 日

デザイン上の制約に基づく問題が後加工の分野では多いようですが、何か解決策はありますか。

 

 

 

箔押しやエンボス、型抜きなどをうまく組み合わせ見栄えよくデザインされた印刷物が多くあります。しかし、それが後加工の現場にとって容易に加工できるのか否か、できても多くの手間がかかり、それ相応の請求ができない等、頭を抱えることがよくあります。

企画段階でデザインする場合、大きく2つパターンがあります。まず、デザインが先で後から形が付いてくる場合。もうひとつは、最終的な完成物から遡ってデザインする場合です。パッケージに関しては後者で、形になっているものから遡ってデザインします。しかし、書籍の表紙等はデザインが先にくることが多いです。最終的にどんな形の本になるかは、デザインの時点では考えられていてもその比重がパッケージに比べて少ないようです。

加工業者にとって印刷会社や製本会社が直接やりとりする相手になります。最近では単純な加工よりも複数の加工が絡んでくる方が多いので、ものによっては発注元、出版社もしくはデザイナーも含めて打ち合わせる場合もあります。

例えば「PPがあって箔押しがあって、窓開けもある。この順番をどうやってやろうか」等ということがいつも話題になります。もちろん、順番は加工の内容によって決まります。しかし、順序が違うとデザイナーが考えていた穴の開け方ができなかったり、窓の位置が少しずれている等の問題が出てきます。

さらに、印刷と加工で言う「乾いた」はその捉え方が違います。印刷ではパレットを動かせる状態が「乾いた」といいます。しかし、加工の業者に入ったときにインクの臭いがしたり、触ってみて何となくしっとりする状態では、「乾いていない」と加工業者としては判断します。こうしたことも1日放っておくことで解決することです。

これらのことは、根本的には企画段階でのコミュニケーション不足が多いようです。こうした制作上の専門的な相談に応じられるのは印刷会社の生産管理です。クライアントから「こういうものを作りたい」という企画が出た時点で、営業マンやデザイナーからどんな加工が必要で作業上の問題点等をフィードバックすることが大切です。

デザイナーや営業マンが関連知識を持つことは大事ですが、それ以上に人為的なコミュニケーションの問題が大きいようです。

食品チラシ等のスミベタ背景

2010 年 1 月 27 日

最近、食品のチラシやパッケージもブラックを使用したものをよく目にしますし、これは商品をひきたたせる効果等があると思います。個人差があり物にもよると思いますが、食品チラシ等にスミベタ背景(半分程度)はデザインとしてどうなのでしょうか?

 

食品や衛生関連の商品に黒を使用するというのは、確かに昔はタブー視されていました。しかしすでに何年も前に、黒いガムが良好な売れ行きを示すなどのこともあり、また、最近では黒い綿棒やトイレットペーパーが話題を呼ぶようにさえなっています。今では特別使用してはならないということはないと思います。従って食品チラシに黒を使用してもいっこうに構わないと思います。しかし、これはその色が好きとか嫌いの問題ではなく、受け手や市場といった様々な条件を考慮した上で効果的であり適切だと考えたのであれば使用して良いし使用するべきだということです。
 色彩についての知識は、調和や対比といった基本を重視するのと同時に、流行や文化的側面にも配慮する必要があります。しかし、調和や対比を論じる視点と、流行や文化を論じる視点は別のものです。ここを混同して議論すると、混乱が生じ話が複雑になって何だか分からないことになってしまいます。
 たとえば黄色と紫のような「補色」を相接して使用したり、一画面にあまり多用すると、印刷ではいわゆるハレーションが起こってチラチラするので良くないし、品がわるくなるので使うなと言われます。これは、調和や対比と言った見方からは正しい意見です。
 しかし、水着のプリント柄などには補色をふんだんに使う事があります。夏らしい、トロピカルな感じや、リゾートの活気に満ちた楽しさなどを表現できるからです。
 基本は、判断基準でもあり道具でもあります。必要だし、とても大事なものです。しかし、教習所で習った運転だけでは公道を自信を持って走れないのと同じで、実際の運用では多様な判断が必要になります。色彩の使用でも流行、文化、政治、社会といったさまざまな要素が関係してきます。
 流行色については日本流行色協会のホームページなどが参考になるかと思います。 流行には敏感に、しかし惑わされないことが大切です。

理想の肌色

2010 年 1 月 13 日

理想の肌色はどんな色でしょうか。

 

 

 

日本の印刷業界で旧くから理想の肌色は、「湯上りピンク」といわれています。抽象的ですが、なんとなく湯上りの浴衣姿の美人を連想させられることも多いようです。色っぽい和服姿を撮影する場合は、少々お酒をたしなんだ後に撮影に入るというエピソードは、ピンク肌に対する日本人の嗜好性を示すものでしょう。 

YMCKの網%で示すとY25~30%M15~22%C2~7%Bk0%というイメージだろうか?ここでBkが入ると墨っぽくなりますし、C×M=30度モアレとM×Bk=30度モアレで出来る二次モアレであるロゼッタが問題になるので肌に墨とシアンが入るのはご法度になっています。いわゆる影の部分に亀の甲模様のザラツキが目だってきます。

 

CMYK的な理想肌

 日本人の嗜好がピンク肌ならYMの網%が同じでも良いではないか?と思われるかもしれませんが、あくまで基本はY>Mを守らなければなりません。これは色の絶対値というより印刷が暴れた場合の安全係数と考えるべきものです。インキを盛れば盛るほど、つまりインキ皮膜圧が厚くなればなるほど、グレーバランスのYMCの差は開いてきます。ということは「インキを盛れば盛るほど赤が浮いてくる」ということになります。このこともあって印刷でいわれてきた理想の肌バランスというのは決められてきました。

 ある有名な写真家によると「自然色」とは「フィルムは自然色だが、デジタルの色は人工的だ」ということらしい。ネガカラーもリバーサルフィルムもメーカーの開発コンセプトの強弱はあっても「色を忠実に出す」なんていうことはしていなかったはずである。ある会社などは「肌色再現」を相当PRしていたのを記憶されている方もいらっしゃると思う。

刷版カーブ

2009 年 11 月 16 日

現在、3台の印刷機を基準とするカーブを含め7本の刷版カーブで運用しています。運用の仕方は原稿の

絵柄によりカーブを使い分けています。 印刷機の標準化により刷版カーブは何本くらいにするのが適当なのでしょうか。 

 

 

印刷機械台数と刷版カーブの本数の関係は難しいものがあり、それまでのフィルム刷版時代からの経過や印刷再現が関係していると思いますので、何本が適正かは会社ごとに違います。ただ、多すぎることは問題です。CMSと「標準印刷」の関係からいけば、1本が理想的な形ですが機械特性などからは無理が生じますので、「最低限」というのが答えになります。しかし、別の問題として、「刷版カーブで色や絵柄の使い分け」対応をしていることは原則的に間違っています。

絵柄(たとえば機械ものと肌もの)の再現を「作り込む」のは、刷版での仕事ではなく製版での作り込み(具体的には色分解など)になります。かちっとしたメリハリある機械ものの再現と、やわらかな人肌再現は、カーブでは再現しきれません。

刷版カーブの網点再現では絵柄のどこかで破綻をきたしているはずです。原則は、製版で作り込み、印刷機の特性に合わせた刷版カーブで再現することです。

  しかし、製版工程を持たず、データ入稿が主であればこの辺が難しいと思いますので、その対応と思われますが、原則は押さえておいてください。

 

フィーダーストップ

2009 年 10 月 28 日

フィーダーストップを防ぐにはどうしたらいいでしょうか。

 

フィーダストップの原因としては、サッカ部調整不良、フィーだーボード調整不良、2枚差し検知器の調整不良、紙そのものに起因すること考えられます。これらの原因と対策についてみていきます。

紙を原因とする場合
 なんといっても紙の保存状況が大切です。静電気発生のため紙同士がくっついたり、フィーダボード上で紙が曲がったり、印刷用紙の保存状態が悪くカールやオチョコなど風入れが不十分なため紙がくっついてきます。また、断裁刃が磨耗し、綺麗に切れないため紙の端でくっついていることがあります。
 対策として、静電気は乾燥した季節では湿度低下が最大の原因です。紙くせにより発生するトラブルもあります。いずれにしても、印刷室内の温度湿度を管理することで多くの場合は解決できます。断裁時の紙のくっつきは紙を積むときに風入れをしながら紙をはがすよう気をつけて積むといいでしょう。

サッカ部の調整不良
 まずエアーの吹き量が少ないとき、紙積み部でエアーが抜けきらず、逆に多いと紙はエアーの力でフィーダコロに斜めに入ります。また、給紙側の紙積みの高さ不良により吹足が紙を蹴飛ばしていたり、あるいは押さえすぎています。第二吸い口が戻るとき紙の表面に接触し紙の流れを妨げてしまうことがあります。
 対策としては、エアーポンプのフィルタ詰まりがないことを確認の上、ポンプのバルブで吐出量や吸引量の全体量を調整し、次にサッカ部のエアー調整つまみで微調整を行います。紙の高さは、ペーパーストップの先端より3~5ミリ低くなるように吹足の高さで調節します。

フィーダボード部の調整不良
 サッカ部第二吸口の位置とフィーダコロ位置が同一線上にセットされていないために、紙の曲がりが発生しやすいです。フィーダボード上のブラシコロなどのセット不良により、紙曲がり・当てトビ・針トビなどをひきおこしています。フィーダテープのテンション不良により紙送りのバランスが左右で異なり、前当てに入るタイミングが狂っていることもあります。紙は前当てに到達してから針引きの動作に入りますが、そのタイミングが崩れていることもあります。
 対策として、第二吸口はフィーダコロの延長線上にあるか確かめます。フィーダコロは左右一対なので左右のフィーダコロバランス、フィーダローラとの強さを同じに調整します。ゴムコロやブラシコロは紙の端にのらないように位置を調整します。フィーダテープのテンションはボード下のテンションボルトを緩めて均一になるように張りを調整します。
全体のタイミングは原動スプロケットの取り付けボルトを緩めて調整し、終了後は確実にボルトを締めておきます。

2枚差し検知器の調整不良またはセンサ面の汚れによる誤作動が原因
 この対策として機械式2枚差し検知器の調整について、紙片2枚をはさんだ時に検知コロに少し触れるくらいで、3枚はさんだ時リミットスイッチが作動するかしないかの隙間に調整します。光電式2枚差し検知器の調整は投受光部面を乾いた布や綿棒などで印刷開始前に行ったほうがいいでしょう。表面の素材が変形するので揮発性溶剤は使用してはいけません。超音波式検知器の調整は、誤作動した時は送波センサと受波センサの素子面が一直線にセットされているか取り付け位置と角度を確認します。センサの検知面にゴミ、紙粉、パウダ、水滴など付着がないか確認し、週1回程度エアガンで清掃します。

 最後に、冒頭にも申しましたが、紙の保管状況が大切です。これによって多くのトラブルを防ぐことができます。つまり室温25℃前後、湿度60%前後に保たれた場所に置くことです。それと印刷用紙は印刷作業の2日前に購入し、工場と同じ湿温度の環境に慣らしておくことをお勧めします。

圧胴の汚れ

2009 年 9 月 30 日

Q.1胴目から4胴目になるほど圧胴のよごれが目立ってきますがなぜでしょうか。

A.
 原因はいくつか考えられます。現場ではよくあることで、こうした場合にする対策としては次のことが考えられます。
①インキの乳化:水上げ量をできるだけ少なくする。
②エッチ液の不適合:PHを5.5に調節する。又はエッチ液を変えてみる。
③インキを盛りすぎ:必要以上にインキを出さない。高濃度インキに変えてみる。
④インキのタイプを変えてみる。インキには低速用700回転以下、中速用1000回転まで、高速用13000回転まで、超高速用16000回転までと分かれています。
日頃印刷している回転数にあったインキを使用することをお薦めします。

剥離紙

2009 年 8 月 7 日

シールを貼って剥がしたあとベタベタが残らない接着剤はあるのでしょうか。

          

シールを剥がした後にベタベタするのはある程度仕方がないものです。特に夏場の暑い時期に多くなります。シールの接着剤は混入されている有機溶剤の質と量によって変わります。それぞれのメーカーによってノウハウがあり一般に公表していません。
 ベタベタ残るタイプは接着力は良いほうです。硬いタイプの接着剤は剥がした後に糊の残りは少ないです。しかし、長期間にわたり貼っていると自然に剥がれてしまうこともあるようです。シールを貼る素材、例えば紙・金属・プラスチックなどによって接着剤のタイプが変わることもあります。この場合はシール原反メーカーに相談することをお勧めします。

特殊原反

2009 年 7 月 28 日

0.1㎜厚のフィルム原反に印刷する際、原反がうまくでません。当て飛びもひどいです。どのように調整したらいいでしょうか。

   
使用されるフィルム原反の静電気は叙電されていると思いますが、除電されたフィルムでも再度帯電することがありますので確認が必要です。ブラシコロは強めのブラシでフィルム端に遊びがないように正確に決めます。紙押さえボールもフィルムに乗らないように正確に決めます。これで当て飛びは収まると思います。針引きは紙より強めにします。
薄紙のフィードはフィーダーのエアー捌きのエアーの強弱、吹き足のエアーの強弱の調整が重要です。どちらかというと弱めの方が良い結果が出る可能性があります。

オフ輪の紙のテンション

2009 年 7 月 7 日

オフ輪のテンションの目安(基準)はあるのでしょうか。

テンションの基準はありません。オフ輪機におけるテンションは枚葉機における爪と同じ役割をしており、刷り本の品質に大きく影響します。テンションが適切でないと紙切れ、巻取り紙の蛇行、紙しわ、ダブリ、コスレ、折り精度不良などさまざまなトラブルを引き起こします。
 テンション設定の基本的な考え方として、印刷部の前にあるインフィード部で巻き取り紙を出しながらブレーキをかけ、印刷部の後ろにあるクーリング部、折機部では少し引張るようにしています。つまり、巻き取り紙にブレーキをかけながら引張るところからテンションが生じます。
 テンションの基準がないのは用紙の厚・薄、種類によってその都度テンションコントロールを行っているからです。印刷される絵柄によってもコントロールすることもあります。

ヒッキイ

2009 年 6 月 16 日

特にアイベタ部にピンホールのような汚れ(ヒッキイ)が発生します。対策としてどういうことが考えられますか。

 

 ヒッキイの原因は紙粉、ゴミ付き、インキカスなどが版面のベタ部に固着するために起きます。いつもゴミ付きが発生するのであればゴムローラのゴムの劣化が考えられます。ゴムの表面がツルツルになる現象をグレージングといいます。そうなると版面に付着したゴミは取れません。グレージングをおこしていれば表面を研磨する、新しくゴムを巻きかえる必要があります。

 その他の方法としてゴミ取りローラを取り付けることもあります。このローラは各ゴムローラメーカーが発売しています。