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プリント

いまだニッチなダイレクトマーケティング

掲載日: 2009年06月19日

DMのノウハウを拡大できるツールは不足しているので、多くの会社が高レスポンス率を期待してもかなわない。

この1年間でDMに関するセミナーを数回は行ったと思うが、内容・対象・範囲・形状あらゆる面で多様なダイレクトマーケティング・ダイレクトメールの世界に、何らかのパッケージ化した既製品・汎用品・半製品のサービスを提供するのは難しいと感じた。実際にはマーケティングからフルフィルメントまで多くのパッケージ化されたサービスがあるのだが、それぞれの先のビジネス展開は容易ではなく、ニッチ市場にハマり込んでしまっているものが多いように思う。

当然ながら商品によって対象となる客層が異なり、DMの文言や作り方は根本的に異なるスタートをする。しかし対象の区分はある程度似たことがされている。統計的に探った潜在顧客か、問合せなどコンタクトのあった見込み客か、過去に購買があるところか、上得意か、などでOneToOneの濃さが違い、DM展開方法が変わる。アメリカでOneToOneマーケティング事例で高いレスポンス率というのは、得てして過去にレスポンスがあった上得意が対象の場合がある。

それ以外の対象層の場合はデータマイニング如何でレスポンスが変わり、それ以前に顧客属性やそれから類推する顧客のビヘイビァの推定ロジックでOneToOneの勝負はついてしまうのだろう。OneToOneのツールの良し悪しは、実はレスポンス率云々ではなく、このような多様なデータ処理との親和性なのかもしれない。

またDM1通あたりにかけられるコストから、DMの形態が変わる。過去実績から高レスポンスが期待できるならポストカードとか簡単なものでもいいかもしれない。究極は電子メールで済んでしまう場合もあるだろう。潜在顧客、見込み顧客に対してはビヘイビァの推定と合わせて凝った演出のニーズがある。印刷をする側からすると、凝った加工やテクニックが高いレスポンスをもたらすのではと期待するのだろうが、これを証明する事は困難だ。それは前述のように、DMそのものよりも推定の良し悪しやデータマイニングに影響される度合いの方が高いからだ。

ポストするタイミングは、何十万通をまとめて年に1~2回する場合もあれば、月次なり週単位とかイベントごとなど五月雨の場合もあり、それによってOneToOneの準備にかけられる時間が違う。例え毎月ルーチン化しているようなものでも、それとあわせて行うテストマーケティング的なものは流動的だからOneToOneをすべてルーチンで済ますことはできない。以上はDMを単独で出す場合であるが、実際は他のDMと相乗りすることもあり、現実はDMのセオリーどうりにさせてもらえない。

大部数のDMを出す場合は、印刷や封入のコストを考えて、販促物と説明書きと伝票と申込用紙・振込用紙、あるいは返信封筒まで一貫して処理できて、その中にバリアブルのプリントも可能な、オールインワンのキットを作ることのできる会社が少数ある。これはBF加工から発展した技術で、大ロット印刷加工とバリアブルを組み合わせたという点では画期的だが、DM内容を臨機応変に組み替えることは困難だ。

一部の学習教材では全体量は多くとも、BF印刷機のようなデジタル印刷機を使って、一貫処理と臨機応変さを兼ね備えた使い方がされているが、その先には販促物もそういった方法がとられるようになるだろう。技術がそこに至るまでに、販促の世界では、ビヘイビァの推定やデータマイニングの経験と、それらの処理と連結したOneToOneのプリンティングソフトを用意しなければならない。

こういったDMのノウハウを拡大できるツールなしに、突然デジタル印刷機を使ってDM効果を高めようというのは荒唐無稽であり、逆に今すぐデジタル印刷を活用したいならば、そもそも高レスポンス率の世界に出かけていって、そこで今までのオフセット印刷よりもよいコンテンツを提供するしかないのではないだろうか。

ALPS協議会   2009年6月

 

 


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