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クロスメディアエキスパートとは、情報資源を紙、DVD、インターネット、モバイルなど多様なメディアへ効率的かつ効果的にクロス展開することができる、デジタルメディア制作のディレクターである。
論述試験ではコミュニケーション能力を見ている。コミュニケーションやヒアリングをする際は、いかに適切な質問をするかということが大事である。それを繰り返して本質的な問題を見つけ出していく。
従来の商談のスタートが見積もり依頼から始まっている業態では、なぜそういう注文がくるのかを考える習慣がない。そこでは情報の整理が訓練がされていないことが多い。何度も質問を繰り返して、ロジックの階段を上り下りをする感覚が必要である。
答えに必要な情報は、問題文に書いていても、その要素を見つけ出せない場合が多い。これは、小手先のテクニックでどうなるものでもなく、やはり日々の練習が必要である。ロジックで物事を考えていないと、勝手な憶測をしたり、自分のリアルな仕事の体験を解答の中に持ち込んでしまう。
お客様のニーズは健在化されているものもあれば、潜在化しているものもある。問題文に記載されていることが、問題点なのか、問題点の結果なのか、それが原因になって、別の問題が起きているのではないか? ということを考える。
分類した情報の、優劣、客観的な因果関係、前後関係、相関関係、などの関係性を見つけていく能力を訓練によってつけることが必要である。つまり、
全体の構造が見えるまで、「なぜ」を考えると原因が見えてくる。
全体の構造が見えたら、「だから」を考えると手段が見えてくる。
それは実現が可能であることが条件で、提案の妥当性が見えてくる。
というように考えられるようになるとよい。
試験では提案しようとしている受験者の競合企業が設定させているので、価格競争を避け、得意先にとって魅力的な、他社と差別化されたサービスの提案を目指す。だからあたりさわりのない、誰でも考え付くようは月並みな提案ではよい点はつかない。クロスメディアの競合の範囲は広く、印刷会社もあれば、IT企業、Web制作会社、またデザイン会社かもしれない。
提案に対して、お客様は合理的さだけでは判断しない。お客の立場に立たないと、お客の問題は見えてこない。徹底的にお客様とそのお客さんのことを考えなければならない。クロスメディアエキスパートは、そのような点でお手本になって欲しい人であり、トータルプロデュースが出来る人、かつうまくいくやり方が反復できる人、それを教えられる人である。
【出所】
2008年12月22日(月)実施・クロスメディアエキスパート認証試験・講評セミナー
「知識を活用した提案フレームワーク ~得意先の要件を整理するには~」
佐々木雅志氏講演 より
【全4回シリーズ】
攻略クロスメディアエキスパート 発行いたしました。
直前模擬試験 の申込みを開始いたしました。実施日は7月19日(日)です。