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月刊『プリバリ印』2011年9月号の特集は、「”なでしこ力”が印刷業界を変える!」 。女性社員比率が高い印刷会社や活躍する女性経営者など、明日の印刷業界を予感させる新しい感性を紹介します。インタビューはホッピービバレッジ社長の石渡美奈さん。
百年企業でもあるホッピービバレッジ3代目社長の石渡美奈さん。ホッピーのイメージを一新し、新卒社員を積極的に採用するなど、
チャレンジングな会社経営スタイルが魅力です。試行錯誤しながら常に体当たりでリーダーシップを発揮する石渡さんに、小さい頃のお話や跡取りとしての悩み、会社経営に関する信念などについてお伺いしました。
(インタビューより)
―― 最初はどのようなお仕事をされたのですか?
石渡氏 期待に胸をふくらませて入社したわけですが、当時派閥争いもあって、私は招かれざる客だったんです。父派の人たちにはやっかいな問題が顕在化すると思われたでしょうし、親戚筋にとっては「余計な奴が入ってきた」わけですから、どちらにとっても火種なわけですよね。
そんな私のことをだれも構ってくれませんでした。代理店経験がありましたので、いちおうは広報という位置付けでしたけれども、要はほっぽらかされておりました。しかし、そのお蔭でウェブを勉強することができました。ある友人から「これからITの時代になり、皆がホームページを持つようになる。ホームページは自分でつくれるし、リアルタイムで情報を更新でき、ホッピーのように知名度はあるけどどこで買えるか、飲めるか分からないといった商品にはちょうどいいんじゃない」といわれたので、eビジネスのクラスでウェブを勉強しました。が、父も含めて会社の人たちは、私がパソコンで遊んでいると思っているわけです。
おかげで弊社は、中小企業としてはかなり早い時期にしっかりしたウェブサイトを立てたほうだと思います。とはいえ、大手企業さんでもないし、毎日更新できるような情報があるわけでもない。そうしていたところ、ある方から「それなら日記という手があるよ。自分の身の回りのことなら何かしら書けるでしょう」と教えていただいて、自ら日記(ブログ)を発信するようになったのです。
―― ほっぽらかされていたために始めたウェブが「ホッピー復活」のエンジンになりましたね。
石渡氏 ですから、自社のウェブサイトをつくりましたが、ネットショップの売上が会社を変えたわけではなくて、毎日コツコツ書いていた日記がマスコミの目に留まったのがきっかけですね。2001年頃からテレビで取り上げていただくようになったのですが、イー・ウーマンの佐々木かをりさん、カフェグローブの矢野貴久子さんなど、女性経営者が注目されましたよね。そのような流れのなかで、「あのおじさんくさいホッピーの3代目も女らしいよ」という部分ではフォローウィンドでしたし、同時にホッピー自体も見直していただく機会が増え、売上が2001年のボトム8億から昨年度は約40億になりました。そのため、「市場が縮小しているなかでホッピーは生き残った」いう成功物語になっていったのだと思います。
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本誌では、石渡さんに少女時代のお話や影響を受けたできごと、会社経営に対する信念など、6ページにわたるインタビューを掲載しています。是非チェックください!
『プリバリ印』2011年9月号
特集:
"なでしこ力"が印刷業界を変える!
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印刷物をつくる人・つかう人の虎の巻 『プリバリ印』