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ワンストップサービスとは
【5分間セミナー】印刷業界では、いま「ワンストップサービス」が「業態変革」のためのキーワードとして叫ばれています。しかし、誤解も多いようです。
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結論から言えば、ワンストップサービスとは、お客様の業務に「深く関わり」、印刷の前後を含めた「多様な関連業務全体」を支援することです。それによって、お客様の満足を向上し確固たる信頼を得ることです。キーワードは、お客様は個々別々のお客様という意味で「個客」である、ということです。
しかし、現在かなりの印刷会社が考えているワンストップサービスは、受注製品の窓口を広げ、それに応えるために生産機能も広げること、とのことです。 あの印刷会社に頼めばいろいろな印刷物を一括して面倒見てくれる、という意味ではワンストップサービスですが、これでは生産面の効率が悪いだけの「何でも屋」に過ぎませんし、本来目指す方向に逆行するものです。
ワンストップサービスのひとつの形として考えられるのが、生産機能をかなり軽くして、企画や業務代行といったソフト部分を重視するものです。小規模での展開の場合に適します。規模が小さい印刷会社の場合には、生産強化に投入できる資源はかなり限られます。設備への投入分を優秀な人材に振り向けてソフト力を強化して、ハード面はそれを得意とする中小企業仲間とネットワークを組む形になります。
ただし、受ける部分が印刷物に密着した部分だけであれば、それは従来ブローカーと呼ばれていた業態です。ワンストップサービスというのならば、印刷の部分だけではなく、関わる範囲を拡大して、それらをひとつのパッケージとして提供することです。どの範囲まで関わるか、またどのような形でサービスを提供するかによって多様な業態がありえますし、大きな変身、メタモル・フォーシスを遂げることにもなるでしょう。「プリントマネージメント」といわれる業態もそのひとつと考えられます。
中堅規模以上の印刷企業では、すでにある意味のワンストップサービスをやってきました。受注窓口は広くしてさまざま製品を受注しますが、自社の生産に合わない仕事は外注でこなすという形です。しかし、昨今の中小印刷企業の経営状況を見たとき、売上高が低下するなかで利益を確保するためには、加工高比率アップが必要になってきています。また、営業の生産性の低下もコストアップの要因になっていますから、受注製品の幅を広げることが必ずしも良いとは限りません。どちらかといえば、受注、生産ともに製品を今まで以上に絞り込んで、その製品については、関連した業務を含めて請け負い、生産については一貫生産体制を持つことで強い競争力を持つ方向に向かうことになるでしょう。
一方、お客様から求められていることは、カバーする範囲を「印刷自体」に密着したところに限定せずに広げることです。
したがって、生産、受注をこの方向に進めていくと、ある範囲の関連した仕事を一括して請け負うアウトソーシング的な方向に向かうことになるでしょう。つまり、最初に述べた、お客様の業務に「深く関わり」、印刷の前後を含めた「多様な関連業務全体」を支援するワンストップサービスです。これによってお客様の満足向上と信頼を獲得することです。
ここで注意が必要なことは、お客様の業務に深く関わるとすると、その内容、要望は、お客様ごとに違うということです。したがって、ここでいう「お客様」は「顧客」ではなく「個客」ということにならざるを得ません。キーワードは「個客」です。
これは、印刷物制作が持っている性格、印刷業が製造業であるともにサービス業の性格も持っていること、そして、お客様の印刷会社への期待が、基本的に性格が全く異なるふたつのニーズからなっている、という事実から必然的に導き出される結論でもあります。
このことについては、別の機会にお話したいと思います。




