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個人情報よりも統計・分析が先決

掲載日: 2009年04月30日

一足飛びに個人情報や購買履歴からクロスセル・アップセルをしようというのは無謀である。

Webの利用者やWebでの顧客を会員制にして登録しているサイトは多いが、登録情報を何に使っているかというと、繰り返しmailを出すくらいでしかないところが多い。しかしeBayやSNSなどの大手は億人というアカウントをもっているが、そこでの登録情報の使われ方は全く違う。扱う情報が増えることで、今までのビジネスと別の局面が拓けてくるのがeBusinessの特徴であるともいえる。

利用者からみるとサイトへの個人情報の登録は、部外者には匿名であるにしても、自分の身を明かして利用するもので、以前はこのこと自体に抵抗も多かったが、今は市民権を得たものといえる。一部ではまだネットは怖い、相手が信用できない、セキュリティが不安と思う人もいるが、ネットへの不安はかつての通販に対する感覚と同じようなもので、何が安全か危険かのネットリテラシが欠如していると考えられるように、ネット上のサービスの存在感が大きくなって、発想が逆転してきた。

ただしeBusinessは、紙カタログやインフォマーシャルの制作に時間をとられないようにもできるので、販促のPDCAを通販以上に展開の速いものにできる。その上で必要なのは購買動向の統計・分析である。購買させるのではないサービス提供なら利用状況の把握と分析になる。それは特売やオマケのようなインセンティブで釣る古いプロモーションの考え方ではなく、利用者の実際の振舞いや心理を捉えるためのコンテンツをサイトに置くところから始めなければ、今まだ判定できない購買行動に対して推論をして、より確からしい購買の仮説を作っていくことができない。

こういった段階を抜きにして、一足飛びに個人情報や購買履歴からクロスセル・アップセルをしようというのは無謀である。まず、どんな統計・分析をもとに販促をしていくのかというロジックを考え、統計・分析に必要な数のアカウントを集めるという手順を踏むことが重要で、むやみにキャンペーンでメアドを集めることも、分析も考えずにランダムに商品数を増やすことも、eBusinessのの進展には寄与しない。

(クロスメディア研究会 会報『VEHICLE』239号)

 

 


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