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プリント

SaaS時代のバリアブル印刷

掲載日: 2009年04月03日

データに関する問題と印刷はアンバンドリングしないと、立ち上げが複雑で、運営上も過剰な管理費がかかって、非常に使いにくいバリアブル印刷になる。

デジタルになってDTPからCTPまでデータは直結するようになったことは、さまざまなメリットがあったし、今後の新たなサービスの可能性もひらけた。オフセット印刷とデジタル印刷のハイブリッドワークフローとか、それを対象にしたWebToPrintや、受発注のネット化で可能となった小ロット印刷などが、今まさに進展し始めている。しかしデジタル印刷の大きな「ウリ」であったバリアブル印刷はまだ広がりは見せていない。

顧客への書状に顧客データを打ち出すような、ビジネスフォームからDPSに向かったようなトランザクション系の仕事は、専業者が非常に大規模な仕事までも請け負うようになり、その延長上にカラーデジタル印刷によるOneToOneマーケティングが期待されたが、これは印刷側から考えても、マーケティング側から考えても若干飛躍のあるもので、ごく一部のクライアントしか活かした使い方はされなかった。しかしこのような販促方法がダメということではなく、まだ欠けている要素があったと考えるべきだろう。

DTPそのものは10数年前から実用になっているものの、大規模なトランザクションのプリントでDTPのファイルがそのまま使えるようになたのは比較的近年である。そもそもePrintの登場の時でもDTPと直結ではなく、専用RIPを介してつながっていたように、以前のホストコンピュータを意識したデジタル印刷は、コンテンツ制作とデータ処理とプリントがバンドルされていたことで、小回りが効きにくかった。

つまり今日のマーケティングのツールとして考えると、何ヶ月も準備してからキャンペーンをするようなものではなく、市場の反応を見ながらマーケティングも試行錯誤できるようなものが求められているので、立ち上げの速いことや変更などに小回りが効く前提でないとバリアブルでの販促は行いにくいであろう。そのためには、コンテンツ制作、データ処理、プリント、後処理・検査、などがバンドルされないで、しかも有機的に結合してネット上でリアルタイムに働くような枠組みが必要である。

もうひとつのバリアブル印刷の課題はセキュリティや個人情報保護といった点で、複数のサイトにまたがったようなワークフローでの仕事がやりにくくなってきたことである。そのために、特にネットワークを介しての有機的に結合ではセキュリティや個人情報保護対策を保証しにくいために一箇所の閉鎖的な作業環境を作るというような、時代に逆行する作業形態に変えるところも出ている。これではせっかくデジタル印刷のカラー品質が上がって販促のために使えるとなっても、機動的なバリアブル印刷はまた遠のいてしまう。

そもそもプリントという生産をしようとしているところ(人)に、データ処理やセキュリティの負担を負わせようというのが無理難題であって、それはオフセット印刷の機長に文字組版やカラー製版をさせるようなものだ。印刷機を買えば座っていても仕事が来るわけではないとも言われるが、生産面での品質保証をするのが設備投資してビジネスをしている者の責務であって、責任範囲もデータに関する問題と印刷はアンバンドリングしないと、立ち上げが簡単にいかないし、運営上も過剰な管理費がかかって、非常に使いにくいバリアブル印刷になってしまう。

このようなことの解決は、デジタル印刷機にデータを送り込んだ方がデータには責任をもって、プリントアウト後の照合もリモートで出来るようにしなければならないし、またプリントするサイトはデジタル印刷が完全にできるような事前のテストや整備さえしておけば、プリント紙面のデータがブロードバンド経由でストリーミングで送られてきて、出力・検査が自動で行えて、プリント作業ログをネット経由で送信側に送り返せるような、相互の作業や責任の切り分けができることだろう。

従来のバリアブル印刷の言語やツールではこういった環境を作り難かったが、アプリケーションもPDL(PDF/VT)も次第にネットワーク時代に合わせた作り変えがされることで、今後はSaaS対応のバリアブル印刷になっていくであろう。

ALPS協議会

 

 


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