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第一回大連DTP技能者試験実施報告
2009年3月22日(日)、中国・大連にて第1回DTP技能者試験がおこなわれた。
2009年3月22日(日)中華人民共和国大連市大連電子学校において第一回大連DTP技能者試験が実施された。大連市側(市政府をはじめとして)からの要請により、日本語DTPのオペレーション能力を問う検定になっており、価格は安いが問題山積みというトラブルを回避するために、日本語DTPの制作能力を保証する「DTP技能者検定」により品質保証されるということを第一の目的としている。いままで中国に進出した日系企業はこの低次元のトラブルに悩まされてきた現実があるが、このDTP技能者試験によりトラブルが減れば、日本の印刷業にとっても朗報となる制度であることに間違いは無い。

実技試験の様子
大連DTP技能者試験は、大連市が目指してきた「大連=日本からのBPO、アウトソーシング基地」というベクトルに沿ったもので、日本の印刷業を脅かすもの、脅威となる存在では決して無い。あくまで発注者は日本の印刷業であり、ビジネスを大きくするのは日本の印刷業である。大連市政府も世界的な協業というものをよく理解し、「労働集約的な作業は大連でアウトソーシングしますよ」というビジネスを展開している。
特に大連の強みは日本語が出来ることなので日本語入力ビジネス、イラスト・CG、コミックやアニメ等のデータ作成ビジネス、DTPデータ作成ビジネスを展開している。中でもDTPは難しくトラブルが多発する可能性が大きいために、その品質保証をオーソライズすることが必要で、DTPエキスパート試験のような認証試験実施を望まれていた。そして大連市からの正式な依頼を受けて今回の大連DTP技能者試験実施となった。「DTP検定の実務的な運営は大連市政府直轄の下で大連DTP協会が担当し、問題作成や認定というところでお手伝いしていく」ということでJAGAT、大連市等、関係団体が合意している。
少子化に端を発する若手の労働力不足は日本の最も危惧する問題であり、最近のDTPスクールの閉鎖やオペレーター向けDTP雑誌の休刊を見ていると、日本でのオペレーター確保は年々難しくなるといわざるを得ない。日本のDTPエキスパート資格保持者はディレクターであり、大連との橋渡し役(大連に限ったことではないが)という存在になってくるであろう。そしてDTPの仕事を請けるのは大連側のDTP技能者試験資格保持者という役割分担が出来上がり、理想的な協業体制といえる。業種は異なるがUNIQLOを見ていただければ、理想的な国際協業体制というのがご理解いただけると思う。
具体的な試験内容を簡単に紹介しておく。試験は学科試験の第一部と実技試験の第二部から構成されており、第一部は図1のような問題で、168問の設問を一時間で回答するようになっている。第二部は図2のような指示書にしたがって日本語パンフレットを作成しPDF/X-1aで保存してJAGATで採点という手法をとっている。パソコン付きの教室が豊富な大連ならではの試験だが、Windows XPに液晶画面、CS2による実技試験となっているのだが、正直日本でもやって見たいテストである。
今回は第一回目ということや準備もあり、この受験者育成として募集した研修生の一期生、大連DTPを引っ張ってきたリーダー18人の精鋭たちが受験しているので結果も楽しみなのだが、試験前々日にワンポイント講座を開催し「なぜロゴの色は変えてはいけないか!」「勝手に変倍してはいけないか?」といった基本的なことから問いかけたのだが、18人全員が実に熱心でたった一日で一か月分くらいの知識を吸収していった。正直な気持ちとしては国際協業、特にアジアで協業できればこれに勝るものはないと感じた次第である。
この中から日本にオペレーターとしてやってくる人間も育ってくるだろうし、エキスパートのような人材も生まれてこよう。日本の印刷業にとって決してマイナスになることはない。最後に実技試験中の写真を掲載しておくので、その真剣な姿をご覧いただきたい。




