Web to Printとデジタルフロントソリューション
デジタル印刷ビジネスで成功するには、Web to Printの仕組みなどによってビジネスフローを自動化することが重要である。
印刷機などハードインフラを整備するだけでは、印刷会社の売り上げや利益を維持することが難しくなってきている。クロスメディアやWeb to Printなどソフトインフラによって顧客との関係を密接にしていくこと、顧客のビジネス支援を行うことが、重要になってきている。
■次世代印刷ビジネスの構図
次世代印刷ビジネスをハードインフラとソフトインフラという概念で整理する。
今の印刷産業の中でハードインフラに相当するのは、例えばMacやWindows、プルーファー、CTP、オフセット印刷機、デジタル印刷、後加工機、倉庫であり、その投資額も非常に大きい。ハードインフラの周辺には営業部門、制作部門、製造部門、または経営・総務といった組織があり、人がいる。
プリントバイヤー(顧客)側の印刷物を必要とする部門(仕事の出所)には、総務、広報・宣伝、マニュアル部門、販促・企画・営業部門などがあり、最近ではシステム部門の人と交渉することも多い。印刷と顧客との関係が複雑になってきている。
印刷会社が設備を拡張し、営業が仕事を確保し工場に流すと利益も上がっていくというサイクルは、ハードインフラだけではうまくいかなくなってしまった。
これを推進していくために必要なものが、ソフトインフラである。例えばクロスメディアとか、Web to Print、MIS、ERP、ハイブリッドRIP、JDFという自動化推進ツールやフォーマット、カラーマネジメント、標準化などがある。このようなソフトインフラとハードが融合して、営業・製造支援につながっていく。
ソフトインフラの一番の目的は、顧客との関係である。Web to Printとかクロスメディアというのは、印刷業界内部で起こった技術革新ではなく、顧客との関係を密接にするための手段である。
例えばクロスメディアだと、マーケティングや販促キャンペーンなどを行う顧客の販促企画部門や広報宣伝部門に直接関わってくる。
例えばアスクルで文房具を調達する場合、顧客は注文書などを使わず自分のパソコンから調達することができ、誰がいつ何を調達したかが記録に残っていく。
印刷に対してもそのような形で調達したいということがあるが、現状は営業を呼んで発注している。Web to Printを利用して自分たちで発注できる仕組みがあれば、それを使うし、受けてくれる印刷会社を望んでいる。顧客のサプライチェーンの一部に、印刷会社が組み込まれるという姿が望まれている。
印刷を刷って納品するだけではなく、顧客のビジネスに貢献できる仕組みを提供できるかどうかが重要である。その役割を担うのが、Web to Printである。
印刷会社は、プリントプロバイダという性格からプリントサービスプロバイダへ変質していく必要がある。その手助けをするのがソフトインフラである。
■Web to Print
Web to Printのイメージはまちまちで、いろいろな要素がある。その1つに、Webを使った印刷通販サイトというものがある。Webで全国から注文を受け、実際に印刷して納品するということをやっている。
また、Web専用サービスとして代表的なものに名刺発注サイトがある。企業を対象とした名刺発注システムが非常に多い。また、フォトアルバムを発注するサイトも増えている。
その他、特定顧客向け専用システムがある。ある顧客と印刷会社の間で、専用の仕組みを作ってしまう。常時データがどんどん入ってきて、それがデジタル印刷やオフセット印刷に行く。そういう仕組みで運用されているところが、実際に何百とある。
このようなソフトインフラ構築の中核システムとして、プレスセンス社のiwayがある。プレスセンスでは、Web to Printではなく、ビジネスフロー自動化と呼んでいる。顧客のビジネスからスタートしたものが自動的に入り、印刷、後加工、デリバリーまでされて顧客のところへ戻っていく。この一連の流れを行う。
(この続きはテキスト&グラフィックス研究会会報「T&G」275号に掲載しています)




