本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
カンファレンスを企画しているサイドとしては、皆さんに役立つ情報を伝え、それを実ビジネスにつなげていただこうと必死に頭をひねったつもりである。
印刷通販などはストレートに皆さんのところに届いていると思うのだが、もしかしたらその意味合いが曲解されてしまっているのもあると思う。その辺に少し触れておきたいと思うので、参考にしていただければ幸いである。
小ロットやオンデマンドがキーワードなのだが、Amazonが考えていることを分析し、やるべきことを見つけるのが一番である。出版社であるインプレスはそのAmazonのシステムを上手に利用して自分のメリットにしている。それくらいAmazonの考えはプロフェッショナルで現実的である。対して小学館は決して格好にこだわることなく、実務的な規模で、日本に最適なことからスタートしている。
オンデマンドビジネスに関してそれぞれの立場から討議して、皆さんのビジネスの解決策を見つけ出していただきたい。
印刷業界にとって3Dビジネスというと3Dプリンタの出力に短絡したがるものだが、これはこれで理解できる。しかし、3D出力するには3D CADデータがなくては話にならない。これまでにも「3Dデータ生成ノウハウが重要である」と訴えてきたが、印刷会社にとっては最初から3Dデータを作るよりは、実態を3Dスキャン(もしくは撮影)して3Dデータを作るほうが、印刷会社らしいといえる。
現在持っているノウハウを活かしやすいということだ。本セッションではその辺のノウハウについてかなり突っ込んで解説する予定である。またデジタルサイネージやWebコンテンツで役立つ3Dコンテンツについても時間の許す限り紹介する。この辺の引き出しは持っているに越したことのないノウハウである。
印刷業におけるBPOを考えるのだが、具体的にはWeb to Printの実態について徹底的に解明し、アウトソーシング先としての印刷業について考えるセッションである。つまり印刷業が単なる印刷の受注だけではなく、ワンストップサービスを総合的に提供したり、デリバリーしたりすることを考える。このサービスのためには単なる商業印刷のノウハウや出版印刷のノウハウにこだわるのではなく、フォーム印刷やパッケージ印刷のノウハウを総合する必要性について理解できるのではないかと考える。特に商印とフォームの融合はこれからのデジタル印刷にとって重要と考える。
動画というとハードルが高いようだが、画像の得意な会社にとって親和性は高い。そんな例を多くの事例を見ながら考えてみたい。特に相互さんの実例などは非常に参考になるはずである。
新しいビジネスを紹介するセッションである。PhotoBookは理解しやすいだろうが、ノハナのビジネスは無料で月一冊のPhotoBookが届けられるものだし、gifteeはちょっとしたプレゼントを気安く手軽に出来るというサービスだ。たとえばコーヒー一杯を昼休みに奢る感じで、ネットでプレゼントできるというものだ。韓国ではこの手のサービスが一般化しているらしいが、日本の若者の間でも普及するのは間違いない。おじさんには理解しがたいが、若者の目線で見れば理解できるものである。
SmartNewsは欲しいNewsを選別してくれるというものである。情報化社会ではこの手のサービスが必要になるものである。このように今までなかったサービスから近未来を占うことは印刷業界にとっても重要である。
通販について考えるセッションだが、明太子を例にとってオムニチャネルの実態を実例から考えて見る。印刷業は紙の周辺まで含めてビジネス化するというのが近未来の世界であることに間違いはないが、その辺をしっかり考えるのが目的である。
(JAGAT 研究調査部 部長 郡司秀明)