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ブランディングは顧客の問題を把握し、解決する結果を提供すること。それが付加価値や差別化等のメリットにつながる。
前回は、クライアント(顧客)のビジネス全体を支援するためのブランディングの必要性について紹介した。では実際にクライアントをブランディングしていくというのはどういうことなのかをこれから見ていく。
販促活動や広告販促物でのデザインはブランディング活動の一環ではあるが、ブランディングそのものではない。ブランディングは、活動の基になるマーケティング戦略を構築していくところから始まる。そして、そもそもマーケティング戦略とは、どのように経営していくかという戦略的な思考があってこそ成り立つものなので、経営支援的な意味合いを持つということを踏まえておきたい。印刷物を提供してビジネス支援ができるのではなく、クライアントの売上や認知度アップ、販促の成果、付加価値を高めるというような、経営に直結する成果をサポートしてビジネス支援をすることである。
ブランディングとは「(クライアントの)顧客に企業側が意図したメリットを正しく認識してもらうための活動」である。伝えるべきメリットとは「顧客の抱える問題(課題)解決」であり、顧客にとっての問題を解決できる企業として認識されて、実際にその通りの問題解決をすることが目的である。ということは、ブランディングでは、顧客の問題は何かを把握する必要がある。その問題を企業としてどのように解決できるかをコンセプトとしてまとめあげることでブランディングの戦略がスタートしていく。顧客の問題といっても、世の中にいる消費者全ての問題を把握することは現実的に無理であるし、把握できたとしても企業として解決できないものであってもいけない。
連載第1回 印刷会社に求められる顧客ビジネス支援のブランディング
連載第2回 印刷会社がクライアントに提供すべきもの
連載第3回 印刷会社が取り組むべきブランド戦略構築の流れ
連載第4回 活動の軸になるブランド・アイデンティティとは
連載第5回 顧客の心の中で自社の占めるポジショニング
連載第6回 印刷会社ができるクライアントのブランド価値の表現
連載第7回 ブランドの価値は世界観とトーン&マナーでつくる
連載第8回 デザインを統一するトーン&マナーのつくり方
小澤 歩(おざわあゆむ)
有限会社グレイズ代表取締役 http://ozawaayumu.com/
(財)ブランド・マネージャー認定協会マスタートレーナー
http://www.brand-mgr.org/
東京都江東区出身。広告販促制作会社等でのグラフィックデザイナー、アートディレクターを経て、2002年に広告制作会社として
(有)グレイズを設立。様々な企業の広告販促物の企画デザイ
制作を手がけ、さらにブランディングやマーケティング、心理学等を踏まえたデザインの戦略を使いクライアント企業の成果を出す。現在は企画デザインだけで
なく、デザイン戦略を軸にした企業全体の課題解決、価値を高め差別化をするブランディング、販売促進のコンサルティングのサービスも提供。
また(財)ブランド・マネージャー認定協会トレーナーはじめ全国の企業・団体等で、デザイン表現の戦略やブランディング、マーケティングを伝える研修や講師としても活動。
●小澤講師のセミナーのご案内
2月5日(水)13:00-15:00
顧客の製品・サービスをブランディングする~販促物の受注力UPを実現!
http://www.jagat.or.jp/PAGE/2014/session/session_detail.asp?sh=4&se=16
2月5日(水)15:45-17:45
ブランド・デザイン表現術~欲しい! その気にさせる売れるデザインの極意
http://www.jagat.or.jp/PAGE/2014/session/session_detail.asp?sh=4&se=17