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オフセット印刷ではインキ時間を短縮することでいろいろなメリットが出てくる。インキの乾燥 時間の短縮ですぐに次工程に取りかかれると言ったことが短納期につながりもっとも大きなメリットであろう。両面印刷であれば、インキが十分に乾燥しなけれ ば、裏移りのトラブルが発生するので反対面を印刷することができない。用紙によっては数時間から一晩の乾燥時間を置かなければならない。インキの乾燥時間 を短縮するためにいくつかの取り組みがされている。
最近よく話題になっている「速乾印刷」がある。ここでの速乾印刷は、簡単に言ってしまえば湿し水の量のコントロールすることで、インキの乾燥時間を短縮しようとする試みである。今更言うまでもなくオフセット印刷にとって湿し水の量のコントロールは非常に重要である。湿し水を多くすれば、インキが過乳化し、少なければ地汚れが発生する。そのために適正な湿し水の量をコントロールしながら印刷を行っている。しかしその湿し水の量が適正なのか。見直してみるとやはりトラブルの発生を防ぎ刷りやすさを優先して湿し水を多めにする傾向がある。そのためにトラブルが発生せず安定して印刷が行えるも、インキの乾燥時間は二の次になってしまう。そこで湿し水の量をできるだけ絞りながら印刷する取り組みがある。しかし湿し水を絞ることで、印刷機のメンテナンス、調整をはじめに印刷条件、版材、湿し水などを常に正確にコントロールしていかなければならない。さらにそこに印刷部数、絵柄の階調の違いなどの要素が加わってくるのでその管理は非常に厳しいものであることを認識してほしい。
一方で従来からインキを強制乾燥させてしまうUVインキを使った取り組みもある。紫外線硬化型インキで印刷と同時にUV光を照射して硬化(強制乾燥)する。印刷時に強制的に乾燥させるため、時間を置かずして反対面の印刷もできる。パウダーが不要なので製版機器や後加工機を印刷機の近くに設置することができ、作業効率のアップや省力化にもつながる。インキ乾燥時に溶剤、排ガス(炭酸ガス)が発生せず、環境ホルモン、重金属が含有されていないなど、環境面のメリットも多い。LED光源の採用や乾燥時のオゾン発生を抑えたインキもある。一方でUV光源装置の付加、インキの価格や脱墨性の課題も残る。(関連セミナー:UVインキがもたらす効果 )
■今回のセミナーでは湿し水のコントロールでの速乾印刷の事例を取り上げ、その効果と印刷管理手法を考えてみたい。
2013年03月22日(金) 14:00-16:00(受付は13:30より)
<構成と内容>(講師や時間割はやむを得ず一部変更する場合があります。)
<会場>
公益社団法人日本印刷技術協会 3Fセミナールーム
(〒166-8539 東京都杉並区和田1-29-11)
<参加費>
一般 10,500円(税込)/テキスト&グラフィックス研究会会員 無料
<要項>
■FAXからの参加申込み:
申込書をプリントして必要事項をご記入の上、FAX(03-3384-3216)にてお申し込みください。
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■参加費振込先
参加費は、下記口座に開催日の2日前までに振り込み願います。
なお、お申し込み後の取り消しはお受けできません。 代わりの方のご出席をお願いします.
●内容に関して
(テキスト&グラフィックス研究会)TEL:03-3384-3113
●お申し込み及びお支払に関して
(管理部(販売管理)) TEL:03-5385-7185