本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
第14期クロスメディアエキスパート認証試験の合格発表(10月31日JAGAT Webサイト)を踏まえ、解答の傾向と試験が問うポイントを報告します。
公益社団法人 日本印刷技術協会は、2012年8月26日(日)に第14期クロスメディアエキスパート認証試験を実施いたしました。受験申請者279名のうち、271名が受験をしました。今期の試験では、「二段階合格方式」の活用により55名が論述試験のみ受験をしました。採点・検討が行われた結果、97名(合格率:35.8%)の方が第14期クロスメディアエキスパートとして認証されました。なお、前期試験より採用した「二段階合格方式」による学科試験のみの合格者は95名おり、第15~18期の第一次試験が免除されます。
過去問題に関する情報が、ガイダンスセミナーや関連セミナー、関連書籍などで浸透しているため、学科試験の合格率は75.1%となり9期試験以降、高い水準で推移しています。第14期試験では一部の問題に改定を行い、用語を選ぶ問題から、用語に関する説明を選ぶ問題へと変更いたしました。本出題についての正答率は80%を超えました。今後のクロスメディアエキスパート認証試験では、「実務に役立つ」資格試験制度を目指すため、用語に関する説明を選択する出題を増やす予定です。今期の試験においては、レスポンシブWebデザインや、NFC(Near Field Communication)に関する正答率が低い傾向となりました。本出題については、模擬試験や過去問題集では触れられていなかったため、正答率が低い結果が出たと思われます。今後についても最新の技術や用語についての出題が予想されますので、受験を予定されている方は、新聞や雑誌、Webサイトなど、様々なメディアのトレンドに関する知識を身に付けてください。
今期の試験では、ワイナリー事業やリゾート事業、飲食業を営む、中規模の企業が与件となりました。受験者の解答で多かった提案は、「Webサイトのリニューアル」や「ソーシャルメディアの活用」、「フリーペーパーの配布」でした。論述試験だけで見ると、106名の方が合格水準の解答を記述していました。
提案書としての様式が整っていない解答は、非常に少なくなっています。合格ラインである70点前後の受験者が最も多く、また、非常に良くできている解答(90点前後)と全くまとまっていない解答(40点以下)が5%程度ありました。
与件には、今後の展開として、
・純国産ワインの普及と市場拡大を行いたい
→方法として、ワイナリー大学の設立を考えている
・30~40歳台の女性を対象とした新苗木オーナー制度設立の協力をする
・高齢者も継続的に苗木オーナーとして取り込みたい
と記載されていました。
上記展開を図る上で、必ずしもメディアトレンドが重要であるとは言えません。出題意図としては、展開を支えるメディア活用による「結果」を求めています。特に多かった解答として、「ワイナリー大学の設立」を目的とした提案が上げられます。「ワイナリー大学の設立」をインターネット上で展開する提案は、あくまでも方法であり、求められている提案は、「純国産ワインの普及と市場拡大」であると考えてください。「ワイナリー大学の設立」を目的とした場合は、減点対象となっています。
解答例として、適切な提案は、
・純国産ワインの普及と市場拡大
・新苗木制度設立に伴うオーナーの集客
をいかに加味してあるかが、合格への鍵となりました。
今期論述試験では、問1で提案の主旨を記述する出題がありましたが、記載について、多くの誤った解答が見られました。誤った解答には、「提案(全体)の主旨」ではなく「メディアを活用した施策の概要」が、それぞれ記述されています。
提案の主旨には、提案の目的は何か?目的を達成するためにどの様な施策があるのか?施策を実施した結果、提案の目的が達成できるのかを記述してください。施策ごとの概要の記述の場合、減点対象となりますので気をつけてください。
(資格制度事務局)