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社会人になってからの学習や勉強は、強制されも効果は上がりづらく、自主性に任せられても何をすればいいのかわからない場合もある。大切なことは自分の中の動機付けにかかっているといえるだろう。
社会人になって、「これでやっと定期試験から開放された。」と喜んだ方も多いと思う。自分もそのひとりだった。
学校時代の勉強は、机にかじりつき、ひたすら暗記していくことが多い。勉強というとこのようなイメージを抱き、アレルギーを持つ方もいるだろう。
「しなければいけないことは分かっていても、時間がない」
「経験を積んでいるので、今更勉強なんて」
「何から始めればいいのかわからない」など。
経験や体験はもちろん大切だ。特に成功体験は自信につながり、自分を広げ高めていくきっかけともなる。
しかし、経験や体験に学習や勉強の要素は全くないのだろうか。
「学ぶ」は「真似る(ぶ)」に通じていると聞いたことがある。
例えば、先輩や上司の顧客に対する対応を真似たことはないだろうか。
また、社内や業界内で「あの人のようになりたい」と目標にしている方の、仕事の進め方や振舞い方を参考にしたことはないだろうか。
「○○のようになりたい」「○○ができるようになりたい」と自ら思うことは、成長するための強い動機付けになる。
これも「学ぶ」に通じる「真似る」にあたり、今までの自分になかったものを身に付けることで、実践的な学びと言える。
しかし目標とする方々は、社内でも注目される先輩や上司、業界内の達人であったりする。すぐに真似ることができるところもあるかもしれないが、一朝一夕では身に付けられない知識やスキルを持っているだろう。明らかに差があることに愕然とするかもしれない。もしそれがなければそもそもあなたが目標とする人にはならないだろう。
それでも「あの人に追いつきたい。できれば追い越したい」と考えることが、学びの動機付け、成長へのモチベーションだと言える。これは誰かに強制されて発生するものではなく、自らの中から生まれるものだ。
その差を認識することから学びが始まり、この差埋めるものが習得すべき知識やスキルとなる。
「人は実践(体験)を通したものしか、身に付けることができない」とも言う。
例えば、セミナーや通信教育講座や本、その他、インターネットやテレビ、新聞、雑誌等で知った知識や情報は、仕事や生活の中で実際に出会ったり、活用して「そういうことだったのか」と理解して、初めて身に付くと言う。皆さんにも経験があるだろう。
この言葉には実は「自分が必要としている物事について」という大きな前提がある。人は必要だと感じなければ、情報に対する感度が変わり、受け取れる量も増減する。同じ情報に接しながら、吸収できる人もいれば、ただ目の前を通り過ぎて記憶に残らない人もいるのだ。
セミナーや通信教育講座等を受講されている方の中にも、自ら必要性を感じて申し込んだ積極的参加者と、会社や上司から言われて(いやいやながら)参加しましたという消極的参加者がいる。講師が解説する内容や過ごす研修時間に変わりはない。しかし自身の能力アップのための知識や仕事の課題解決のヒントをどれだけ手に入れられるかを考えた場合、その差はどれほど大きくなるだろうか。
もし上司等から、セミナーや通信教育講座の受講を指示されたとしたら、それはあなたに対する期待だ。せっかく参加したセミナーや受講した講座なのだから、少しでも多くのものを吸収していただきたい。今まで目の前をただ通り過ぎていただけの数多の情報も、意識を変えるだけでステップアップのための宝の山ともなり得る。その吸収(習得)量を決めるのはあなたの気持ち=動機付けしだいだ。
日中はだまだ暑いが、暦の上では秋になっている。自身のスキルアップを考え、勉強を始めるには良い季節かもしれない。
JAGATでは、セミナーや通信教育講座、書籍を通して、「学び」のサポートをさせていただいている。参考にしていただけたら幸いだ。(JAGAT 教育コンサルティング部 高橋圭一)
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