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厚生労働省が毎年集計している「新規学卒就職者の在職期間別離職率」データを見ると、平成12年以降、大学新卒者の3年以内離職率は、ほぼ一貫して30%を超える高さだ。また、入社1年目の離職率が12%と高いのも目を引く。
離職理由は、「給与に不満」「仕事内容に不満」「仕事上のストレスが大きい」「会社の将来性・安定性に期待が持てない」「労働時間が長い」「職場の人間関係」「会社の経営理念や社風があわない」など、さまざまだ。一見身勝手に見えるこれらの理由の背景には、雇用のミスマッチ、労働市場の流動化、ゆとり世代のストレス耐性の低さ、長引く不況による企業の人を育てる余裕のなさなど、複雑な事情が絡む。実際、さまざまな企業の人事採用担当者にきくと、年々激化する就職戦線を勝ち抜いてきた若者が、驚くほどあっさりと辞めてしまうという。新卒採用には、時間的、人的、金銭的に大きなコストがかかるだけに、企業にとっては深刻な問題だ。
それでは、離職防止にはどのような対策があるのだろうか。給与や社風は簡単には変えられないし、雇用のミスマッチは、組織全体の採用計画の見直しが必要で、やはり時間がかかる。しかし、「仕事内容」や「人間関係」は、直属の上司や先輩の組織的ケアで、かなり改善できる。キーワードはコミュニケーションだ。まずは、新人の様子を観察し、声かけをする。定期的な面談も効果的だ。その際は、まず相手の話に耳を傾けること。個人の能力には差があることを前提に、仕事量が多ければ調整し、困っていることがあれば、話をきく。ポイントは、新人の話をききつつ、相手に考えさせること。上司のコーチング能力が問われる。話をきくこと、コミュニケーションをとることによって、相手の自律性を引き出す。もちろん、ルールや規律は、しっかり教えなければならないが、あれはダメ、これはダメと否定しないこと、指図しないこと。会社は学校ではないから、いつも誰かが答えをくれるわけではなく、自分で問題解決していかなければ生き残れないことを学んでもらう。忙しくて、そんな暇はないと言うなかれ。新人が一日も早く成長して戦力とならなければ、上司(先輩)の忙しさは永遠に続くのだから。チーム戦略の一環として、新人を育てよう。
また、入社2年目までの節目節目に理論やスキルアップの研修を組み込むのもよい。自分を振り返り、社外の若手との交流にもなるからだ。その際は、受講目的をしっかりと伝え、研修内容のフィードバックを上司に提出させるのも、気づきを促し効果的だ。
JAGATでは、今年も8月から新人・中途者フォローアップ研修を複数準備している。入社半年後、1年後のフォローにぜひご活用ください。(教育コンサルティング部)
■新人フォローアップセミナーのご案内
■「印刷『常識・非常識』基本編」 8/9(木)
■営業・制作初級者のためのDTP基礎2日間 8/27(月)8/28(火)
■やさしく理解する色の基礎 (東京-大阪ライブ中継) 9/7(金)
■2012年度印刷メディアコーディネータ養成講座 9/6(木)-10/5(金) 全6回
■はじめて学ぶWeb必須知識(初級編) 9/11(火)
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■「営業日常活動の点検と改善」 9/26(水)
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■「印刷現場の改善と管理(入門編)」 8/28(火)