メニューを飛ばして本文へ

Cialis Online

プリント

社員のメンタル面のSOS、早期把握と正しい対応

掲載日: 2009年02月14日

その3:うつの早期発見方法

株式会社ベストソリューション 代表取締役 乘浜 誠二 氏


前回は2007年9月12日(水)に行われた「社員のメンタル面のSOS、早期把握と正しい対応」セミナーから復職時の問題点をまとめましたが、今回は同セミナーから株式会社ベストソリューション 代表取締役・乘浜誠二様の「うつの早期発見」についてまとめます。


うつ病になりやすい人とは
同じ会社で同じような仕事をしているのに、うつ病になる人とならない人がいます。この違いは何でしょうか。この違いを説明する時に、心療内科の医師たちが使っている用語で、SE(self-efficacy)とLOC(Locusof Control)という言葉があります。

SE とは自己効力感のことで、自分に対して否定的に見ている場合に「低」、肯定的に見ている場合は「高」とします。またLOC とは、自己統制傾向のことで「物事は自分ががんばればうまくいくはずだ。土・日に自分が会社に出て仕事をすれば、何とかこの仕事は片付く」のように考える人を「内向き」と呼び、逆に、与えられた仕事があったとしても、「土・日はもともと休みだから、何とか月曜日の朝早く来る」とか、「時の運だから仕方がない、事情を説明して月曜日の終わりか火曜日に終わらせるようにしよう」と考える人を「外向き」と呼びます。これを表したものが次ページの図です。


それぞれのタイプと特徴
図にある4 つのタイプの中で、特徴的なタイプがA タイプとD タイプです。
D タイプは自己効力感が高く、自分に対して肯定的で、一番うつ病になりにくいタイプです。「時の運だから仕方がない」と考える人たちで、金曜日の夜になって「飲みに行こう」と言われた時、「仕事は少し残っているが、後でやればいい。行こう、行こう」となる人たちです。ベンチャー企業の社長、会社の一定役職以上、部長クラスの人などに多いタイプです。
一方A タイプは、一番うつ病になりやすいグループです。年齢にかかわらず非常に真面目で、与えられた仕事や頼まれた仕事に対して真正面から取り組み、何とか解決しようという人たちです。自分に対して非常に否定的で、同時に、何とか自分がやれば仕事が片付くと考える人です。


うつ病を与えがちな「クラッシャー」
さて、このA タイプの人はどんな場合にうつ病になるのでしょうか。実はD タイプの人が直接A タイプの人に「これをいつまでにやっておいてくれ」と言う場合に、圧倒的になりやすいのです。そのためD タイプの人を俗にクラッシャーと呼びます。このクラッシャーはうつ病を与えがちな人で、自分が成功しているので、「君、こんなこともできないのか。こんなものは3 日もあればできるだろう」と言ってしまうのです。このような場面で、正直に、「これは無理です。時間をください」と言えればいいのですが、Aタイプの人は真面目なので、その時は「分かりました」と言ってしまい、結果もんもんと仕事をして、土・日に出てきて、徹夜してでも仕事を片付けます。これがA タイプの人なのです。
一番理想的なのは、D タイプの人が直接A タイプの人に指示を出すのではなく、D タイプ→ B タイプ→ A タイプ、または、D タイプ→C タイプ→ A タイプの順に指示を出すというのが理想的な指示の流れです。



うつ病早期発見1~発病前のサイン~
うつ病は、発症前にいくつかのサインがあります。まず、最初に出てくるのは身体面、次に行動面、最後に精神面に出てきます。そのため、管理職の人は、注意して部下の様子を見ることを心掛け、コミュニケーションを取るようにすることがうつ病の予防には必要です。
①身体面のサイン
身体的なサインには、心気症と心身症と2 つあり、最初は各種の痛み(頭痛、吐き気、目まいなど)が出ます。心身症は消化器系、循環器系、呼吸器系、皮膚系などで身体面でのサインが出てきます。初期症状としては、せきをしたりする人が多く、喉が痛いわけでもないし、何でもないのに、仕事をしながらせきをしているというと、心身面でのサインなのです。
②行動面のサイン
行動面のサインは出勤状況(欠勤・遅刻・早退)が変わったり、集中力が低下したり、今まで「飲みに行こう」と言っていた人が、「今日は体調が悪いから」と言ったり、付き合うのが面倒臭いということが出てきます。
日常生活で、一番大きいのは夜寝られないという症状です。睡眠時間は一番大事な要素です。このほかに異性間のトラブル、アルコール依存、なかには家出してしまうというようなことが行動面のサインとして出てきます。
③精神面のサイン
精神面のサインは、急に怒りやすくなったり、急に無気力になったり、陰気になったりします。また、精神障害として、軽度の抑うつ症が出てくるというのが精神面でのサインです。


~うつ病早期発見2~ストレスマグニチュード~
ストレスマグニチュードとは心療内科の学会で出てきた指標で、過去6 カ月以内に起きた出来事の累計点数が200 点を超えると、その時点から6 カ月以内にうつ病・メンタルヘルス不全に陥った確率が80%くらいあると言われています。これはセルフチェック表ですので、自分でチェックして、累計点数が200 点にならないように生活を送ることも大切ですし、また、累計点数から自分自身で現在の状況を確認することも大切です。
(文責:JAGAT 印刷会社の人材教育を考える会事務局)


~考える会からのコメント~
本テーマは、現場で悩む管理職者の生の声や、事務局が目の当たりにしたことをきっかけに、緊急企画として開催させていただきました。今回のテーマをとおして、社員に対するメンタル面の対応力の大切さを、経営者や管理職者の皆様にぜひご理解していただきたいと心から願います。気軽に「精神的なストレスと病気は当たり前だ」などと口にするなど言語道断。正しい知識と早期発見、そして適切な対応を行うプロセスとマネジメントを機能させ、組織の元気を維持させてください。