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プリント

多様化するWebToPrint

掲載日: 2009年01月29日

PAGEコンファレンスのE4、E5セッションでは各社の多様な取組みを紹介する。ご講演各社の横顔を紹介する。

WebToPrintは閉塞感を強める印刷業において突破口のひとつとして期待されている。PAGEコンファレンスのE4、E5セッションでは経営戦略、受注/製造の仕組みづくり、営業(差別化)戦略など各社の多様な取組みを紹介する。
以下にスピーカー各社の横顔を紹介する。

株式会社P'Sネットワーク(静岡県)

静岡県富士宮市に2003年に設立された。ノベルティ商品に特化し、卓上カレンダー、ボックスティッシュ、うちわ、あぶらとり紙などを主力にネット販売している。
山田社長は印刷会社で営業に12年間従事。そこでの経験から印刷会社の仕事のやり方にさまざまな疑問を抱き起業。
設立以来、毎年150%を超える成長を続け、5年目の2008年3月に新工場を建設した。設立当事は生産工程を持たず、すべての工程を外注生産していたが、新工場設立と同時にプリプレスシステム、CTP、印刷機、断裁機を導入した。
完全前金制、原則として値引き交渉は一切受けないというスタイルを貫いている。特例を認めてしまうと、どんどん業務フローが複雑化していき、その担当者でなければわからないことが増えてしまう。業務の複雑化はコストアップと直結する。ルールがシンプルであれば誰でも同じ対応ができるし、効率的に仕事ができる。特例を認めないことで安く早く一定品質のものが作れることになり、結局は顧客サービス向上につながる。
生産設備を導入するにあたってもワークフローの'シンプルさ'をとことん追求している。自動化への取り組みにも積極的で、JDFも導入済みである。


ヤマゼン・コミュニケーションズ株式会社(栃木県)

栃木県限定の口コミサイト「栃ナビ!」を運営。サイトのポリシーとしてとことん口コミにこだわっている。お店の取材、原稿作成、そしてサイトへの掲載料もすべて無料であるが、口コミで推薦がなければ掲載はしない。そして、取材はすべて社内スタッフによって行っている。今では月間1200万PVのアクセス数がある。認知度があがるにつれ広告媒体としての価値が高まるとともに、サイトには個人情報も多数、登録されており、それを利用した地域密着のマーケティングリサーチも行っている。
印刷会社が独自のメディアを持つことの利点として以下のような点があるという。

  • 自社内に市場調査機能を持つことにより、より効果の高い広告印刷を提案できる。
  • 新規取引先開拓の際の営業ツールとして最適。
  • 既存の取引先から新規案件を獲得できる。
  • 調査やプロモーションを通して、クライアントと密に関わることができる。
  • タウン情報サイト運営ブランドを元に、ネット関連の業務受注が増える。
  • 企業イメージが高まる。(有能な人材の確保等)

全体として、県内オンリーワンのサービスを提供することにより、価格競争にさらされない営業展開が可能となっている。


株式会社吉田印刷所(新潟県)

日本での印刷通販の先駆け「特売プレス」を1999年から開始。今では本社(新潟)に営業マンは存在せず、営業スタイルは完全に切り替わるとともに仕事の内容(得意先)もすっかり変わっている。また、営業マンレスによるWeb受注、データ入稿、CTP化と極小ロットでも収益の出る仕組みを作り上げた結果、売上は減少しても収益性は大きく改善された。近年は「環境経営」を標榜し、以下の取り組みにより、オフセット印刷機によるプリントオンデマンドの実現を目指している。

  • とことん(湿し)水を絞った「乾燥促進印刷」
  • 現像レス(印刷機上現像)タイプのCTPプレートの導入
  • 平均15枚の本紙テスト刷りでの本稼動の実現
  • 予防保全の徹底

また、印刷物の発注者に無駄な印刷物をつくらせないという「情報鮮度保持機能付き印刷物の提供」にも力を入れている。印刷物は腐らないが、掲載された情報には有効期限がある。これまでは余分に印刷しては結局2割、3割破棄してきた。今後は環境保全という見地からこのようなことは社会的に許されなくなる。前述の無駄を排斥する生産システムを背景に「小ロット化」「小口分割化」の提案を行っている。

以上3社は、 E4セッションに登場する。


錦明印刷株式会社(東京都)

老舗の出版印刷会社。近年は、コンシューマ向けのフォトサービスを事業化するなど積極的に新規事業分野の開拓を行っている。
2001年にデジタル印刷機の設備を導入。「Web名刺サービス」をきっかけに安定して継続した取引が行えるようになった。「Web名刺サービス」は、1000人以上の規模の企業をターゲットに社員情報をデータベースで管理し、得意先がWebで注文すると自動組版して出力するというもの。名刺は一度の受注量は少ないが、継続受注となるので、得意先との信頼関係を作りやすい。
この信頼関係をベースにさまざまな業務支援サービスへと展開している。お客さまがやろうと思えば自分でできるが、本来業務以外で手間のかかる仕事を請け負うというのが基本スタンスである。例えば、教育会社のマニュアル印刷の例では、印刷したマニュアルをバインダにセットする作業などの付帯サービスも積極的に受注している。こうしたサービスを「総務部向けサービス」「人事・広報課向けサービス」などパッケージ化して展開している。


ダンク セキ株式会社(長野県)

もともとは製本専業者。デジタル印刷機(HP Indigo press 5000 )を導入し、Web To Printの仕組みを利用して、一般コンシューマ向けにパーソナルフォトアルバムを作成するサービス(アイプリ)を展開中。
フリーアルバム編集ソフトのAI Creatorを使ってコンシューマーが編集したデータがアップロードされるとデータ生成サーバーを経由してPDFデータが作成されるとともに、注文データからJDFが作成されJDFによる作業指示で印刷している。受注からJDF発行までは完全(無人)自動処理となっている。
また、自社開発の生産管理システムを使って、印刷/製本/発送の進捗をバーコード管理しており進捗情報の公開も可能である。Webでの受注システムやPDF作成アプリも自社開発している。


西日本ビジネス印刷株式会社(福岡県)

代表取締役の園田氏はIT業界出身。昭和54年に独立し印刷会社を設立。経営資源をIT化に集中し、小ロットの仕事を効率良くこなすための仕組み作りを行う。
現在、売上の60%はWeb入稿(営業レス)。1日平均 150~200本の受注を工務担当1名で処理している。
IT化の一例として、お客様から電話が入ると、その電話番号を社内システムが認識し、電話を取った社員の画面にそのお客様から受注している仕事の進捗状況が瞬時に表示されるという仕組みがある。社内の管理システムはMS-ACCESSで自作している。

以上3社は、 E5セッションに登場する。

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