Cialis Online
重要さを増す印刷会社のネット戦略 PAGE2011カンファレンス G2セッション報告
印刷会社でも、Webを経由して受注する方法が注目されるようになってきた。しかし、単にWebサイトをオープンするだけで受注が舞い込むことはない。特徴のある品揃えやWebをベースとしたサポート体制がなければ、リピート客を呼び込むことはできない。
PAGE2011カンファレンスでは、「印刷会社のネット戦略」としてWebを経由した印刷サービスの実態、サポート体制について取り上げた。
■DTPの制作環境とネット戦略
シーティーイーは、DTP制作を中心とした会社である。
市場調査をおこなった結果、印刷市場は縮小しているが、外注ニーズは存在すること。価格競争力と営業力を持っている会社は伸長していること。
また、自社においては、少数のクライアントに依存していること、価格は平均的であることが判った。
そのため、今後の課題として低価格化を実現し、全国の中小規模印刷会社・DTP制作会社・デザイン事務所をターゲットにして、顧客増を目指すことにした。
具体的には、自社開発の作業効率化ソフトを販売することと、低価格実現のためにDTP工程を単純化し、DTP受注サイト「マイオペレーター」を構築・運営することに取り組むこととなった。
自社開発のツールには、「検版ソフト」や「自動ルビ振りツール」などがある。
「マイオペレーター」では、画像切り抜きや画像貼り込み、QuarkXPress→InDesignコンバート、表組作成、赤字修正など、工程を単純化してメニュー化することで、容易に作業を受託できるようにして、Web受注を開始した。
スタートしたばかりだが、Web掲載用の画像加工や動画のマスク切りなど、予想していなかった印刷以外の会社からの依頼も増えてきた。
今後は、さらに作業の効率化、標準化を進めることで、ツール開発や受託の売上を上げていきたい。
■印刷通販におけるネット戦略とユーザーサポート
グラフィックが市場で受け入れられた要因として、次の点が挙げられる。
まず、DTPのテクニカル情報を公開した。一般コンシューマの方に向けて、完全データの作成方法、起こりやすいトラブルなどの情報を公開した。
さらに、名刺やハガキなどのIllustratorのデザインテンプレートを公開し、使ってもらった。
また、モニターだけで色の確認を行うのではなく、自社作成の標準カラーチャートを配布した。Japan Colorベースで印刷の標準化を実現しており、それを反映することで、安定した品質に対する信頼感を得ることができた。
「送料無料「や「年中無休・24時間サービス提供」は、一般のネットショッピングでは当たり前だが、印刷分野ではグラフィックが先行して始めたサービスである。
また、「マイページ方式」や「Web入稿」を導入した。マイページ方式とは、最初に会員登録してもらい、お客様の専用ページを用意し、そこから注文する方式である。
マイページでは、注文の履歴や商品の進捗状況などを見てもらうこともできる。その他、請求書や納品書を自動で発行できるような機能を備えている。これらの仕組みはすべて自社で開発した。
グラフィックでは、絶えずバージョンアップを図りながら品質とサービスの向上に努めている。
また、Web上でユーザーと触れ合える場として、BBS(掲示板)を開設しており、ユーザーの意見、感想や問い合わせを掲載している。ここから印刷サービスのためのヒントを得たり、サービスの改善策として反映させている。
このやりとりを見てグラフィックを利用されるというユーザーも少なくない。ブログやTwitterも活用している。
さらに、新しいサービスとして、オンラインでデザインテンプレートとデザイン機能を提供する「デザイングラフィック」、名刺やハガキを簡単に制作する「デザイングラフィックライト」も始めた。
通常の印刷ビジネスは、得意分野や地域に特化することで固定客を獲得し、継続的に印刷物を受注することで成り立っている。
それに対して、ネットを経由した印刷サービスは、不特定多数の顧客、未知の顧客に対して印刷サービスを提供するビジネスとも言える。そのためには、頻繁に情報発信をおこなう、サポート情報を公開する、など、ネットならではの対処が必要となる。
また、データ入稿など厳密なルール設定・運用が求められる。
つまり、どのような顧客にどのようなサービスを提供するのか、サービス内容をどのように伝えるのか、という方針・方向性を明確にしなければいけない。ネット上で選択されるには、そのような戦略が不可欠である。
ネットを経由した印刷サービスが、今後も印刷ビジネスの一角を担っていくことは間違いないだろう。しかし、そのためには、印刷会社としてのネット戦略、マーケティング活動はいかにあるべきか、が問われることになる。
(JAGAT 千葉 弘幸)




