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デジタルで変わるダイレクトマーケティング
ネット通販の興隆 何が原動力か? それを追い風になるような戦略を立てるならば、これからのクロスメディアの先頭に立てる。【PAGE2009コンファレンス DMトラック紹介】
2008年末のアメリカのクリスマス商戦では、小売業はサブプライムバブル崩壊を受けて惨敗であったと報じられたが、一方でAmazon.comの商戦は過去最高売上げで最高益をあげたとの報道もある。これらをどう考え合わせればよいのだろうか? クリスマスで売れるものの典型はプレゼントであり、自分の嗜好によるショッピングではないので、範囲を絞り込んだらある意味ではどこで買っても同じようなものだろう。Amazon.comは買いやすさ、つまりショッパーにとっての利便性で優位に立ったのではないだろうか。
通信販売というのも忙しい人や、特定の店に少量買いに行くことが億劫な場合に重宝がられる。そもそも出かける時間がないとか、その時間に店が開いていないならカタログ通販の出番である。書店は町のどこにでもあるが、品揃えを求めると書店数は限られてしまう。そういったところをハシゴして苦労して捜し求めた経験のある人なら、ネットで検索する方が無駄が少ない。可処分所得の大きい人の生活の実態に合ったのが通販であるともいえる。
健康食品は健康な人が買うものではなく、健康を求める人、つまり健康に不安とか問題がある人がすがるような商品なので、探し求める人がうまくマッチした商品にたどり着くとリピート需要があり、ネット通販に向いている。要するに再注文がラクだからである。化粧品も市場全体が横ばいながら通販は数%の伸びをしている。もともと訪問販売化粧品市場は相当大きいが、訪販が縮小する一方で通販化粧品市場は年々伸びて訪販の半分くらいには来ているだろう。販売員から情報を得なくてもインターネットやコスメ雑誌が豊富に情報提供するので、自分で商品を選別してネットで気軽に注文できるからである。
こういったやり取りの過程にうまくOneToOne的にクロスセル・アップセルを仕掛けていければビジネスを伸ばせられる。そのクロスセル・アップセルの王者がAmazon.comであるといえるが、それと同じようなECの仕組みを持てば同じような成果が得られるわけではないだろう。むしろ『上流』の価値の増大という点ではリアルビジネスのカリスマ店員なり訪問販売員の持っていた価値をいかに電子カタログ(データベースとそこからの表現)に反映させるか、『下流』のコストの低減という点ではフルフィルメント(受注、配送、決済、アフターサービズの一連のプロセス)の効率化をサイトの機能に結びつけるか、などが巧妙に考えられていないと今後の通販の発展は望めないだろう。
見方を変えると、リアルビジネスでは優秀な販売員やフルフィルメント要員を獲得するのは限度があるが、その制限を突破できるような方法があれば、もっとビジネスは伸びるはずである。もしライバルの訪問販売が多くの販売員を抱えているならば販売員のコスト以下で素敵なサイトやクロスメディアの便利な通販ができるかどうか真剣に考えてみるべき時だ。もし通販だけでなくリアル店舗があって顧客との接点があるならば、その強みをデジタルプリントやデジタルサイネージでこれから活かす方法もいくつもあるだろう。
ここではネット通販の興隆は何が原動力かをみてきたが、デジタルでダイレクトマーケティングが大きく変わる要素があり、それらを追い風になるような戦略を立てるならば、今までのダイレクトマーケティングのノウハウを持っているところこそ、これからのクロスメディアの先頭に立てるといえるのではないだろうか。PAGE2009コンファレンス DMトラック では、ダイレクトマーケティングの先端についていろいろな角度から採り上げ、近未来を展望したい。
F1:拡大する通販業界のダイレクト・マーケティング
通販事業は、消費者嗜好の多様化に対応した市場のセグメントに成功したため参入機会が多く、その参入方法についても特色がある。また、既存の企業の他新規参入も増えており、そうした新規参入企業も取り上げる。
F2:メディアの中のダイレクト・マーケティングの変化
通販業界では紙媒体が中心だったが、デジタルメディアによりメディア環境が多様化し、複数メディアとの連携という潮流を生み出したが、メディア環境の変化がダイレクト・マーケティングに与えた事例などを紹介する。
F3:DMの新たな可能性を探る
DMの新たな可能性は、いま一度「原点」に立ち戻り、改めて定義し直すことでしか見えてこない。
そのプロセスで、見過ごしていたこと、軽視・誤解していたことに気づく。その「気づき」こそ、DMの新たな活用・展開につながるスプリングボードでありヒントである。そうした作業で見えてきたことをいくつかのキーワードとして示し、DMの秘める「豊かな可能性」をいっしょに考えていきたい。Back to the Basic of DM!
F4:ダイレクト・プロモーションの新たな展開
個人宛の請求書に広告をいれダイレクトにプロモーションできることで注目されているトランスプロモーションを最大限活かす方法を事例を交えて解説する。
F5:マーケティングにおけるデータ管理のノウハウ
ワン to ワン マーケティングでは、個人情報の取得方法や取得後の取り扱いが重要な鍵になるが、個人情報を管理するだけでなく、戦略的運用が重要になる。ここでは、そのためのノウハウを実例に基づき紹介する。
F6:エリアマーケティングによるセールスプロモーション
エリアマーケティングは、地域のマーケティングセグメンテーションにより、歴史、風土による地域の価値観、社会構造による顧客ニーズに応える地域特性対応のマーケティング活動であり、その実例と効果を紹介する。




