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電子POPとしてのデジタルサイネージ
マス媒体に代わって広告業界で注目を集めているのがデジタルサイネージである。
ここ数年言われ続けていたことだが「マス時代の終えん」がハッキリ数字に表れてきた2008年である。印刷業界ではオフ輪に陰りが見え始め、頼みの綱だったフリーペーパーにもこれ以上の期待を持つのが無理となってきた(頭打ちの状態である)。
こんなことを話題にすると、すぐに印刷業界では「紙vs.?」という話になってしまうが、マスが絶対ではなくなってきたということである。広告業界でよく言われる4マス(4大マスメディア)であるテレビ、ラジオ、新聞、雑誌すべてが激減しており、相応して広告掲載も減っている。そして、そんなマス媒体に代わって広告業界で注目を集めているのがデジタルサイネージである。
デジタルサイネージは印刷業に最隣接
デジタルサイネージはクロスメディアに限った話ではない。確かに渋谷の三千里薬局上のデジタルサイネージは動画分野かもしれないが、スーパーや店中にある静止画や静止画に毛の生えたようなデジタルサイネージは印刷業界の商品であるPOP、つまり電子POPそのものなのである。例として日本サムスンがオールインワンパッケージで19万8000円で販売している「HARUE & KEIJI」があるが、普通の人が量販店でも手に入るくらいに身近なものになっている。
HARUE&KEIJIはボードパソコンが内蔵されていて、USBメモリーにデータさえ入れておけば掲示することが可能だ。JPEGなどのビットマップ系は問題ないが、さまざまなフォーマットも受けられるようになっており、AdobeがPDFに次ぐ2匹目のドジョウを狙っているFlashにも対応している。Flashは動画などのマルチメディア的な表現が簡単にできることからクロスメディアでは広く使われているフォーマットなのである。もう既に1代目のPDFより普及し、いまやドジョウというよりはウナギにまで成長している。そしてPDFが簡単に作れてしまうのと同じように、印刷業界が慣れ親しんでいる「InDesignでFlashデータを書き出すことが可能だ」ということが印刷業界にとっては非常に大事なポイントだ。Adobe Creative SuiteはCS4からこうなっており、世の中がどういう方向に向かっているかはお分かりいただけると思う。ここまで説明すればワンソースマルチユースなどを持ち出さなくてもビジネスのにおいは感じ取られるだろう。印刷業界出身者がPowerPointからデジタルサイネージ用のデータを作成するツールなどを開発しているくらいなのだ。
PAGE2009ではデジタルサイネージにフォーカス
デジタルサイネージはコンテンツの中身も大事だが、フリーペーパーの配布場所(コンタクトポイント)と同様に待ち伏せるメディアで、「どこに」「いつ」「どういうコンテンツを」というTPOが大事なメディアである。図3や図4に簡単な分析を載せてあるので参考にしていただきたい。
フリーペーパーの『R25』がR25世代(25~34歳男性)の獣道(けものみち)を徹底的に分析してコンタクトポイントを選定したのは有名な話だが、R25(男性用)はマーケティングの教科書に載るくらいの大成功だったが、『L25』(女性用)は正直そこまでの大成功とは言えないだろう。もしデジタルサイネージとの複合メディアだったら、もう少しインパクト度は上がるのではないかと想像する。コンタクトポイントの両端にデジタルサイネージを置き、具体的なコンテンツでもOKだし、単なるイメージコンテンツでも流れていればL25世代の気を引くのではないか。このように紙との親和性は非常に高いと言えるのがデジタルサイネージなのである。デジタル印刷ならアイデアはいろいろ考えることができるのでPODとの相性もすこぶる良いと言える。
「PAGE2009」ではデジタルサイネージにスポットを当てており、このへんの展示やセミナーをたくさん用意しているのでぜひ注目いただきたい。
(『JAGAT Info』2008年12月号より抜粋)




