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新しいグラフィックビジネスの船出

掲載日: 2008年12月18日

「チェンジ」の船に発注者も受注側も一緒に乗り込もう。PAGE2009特別連載 その1

PAGE2009コンファレンスの開催については2008年10月2日に「惰性のメディアビジネスに終止符を!! 」という記事で紹介して、その際にPAGE2009テーマを「ゼロリセット」とした。その直前の2008年9月15日にリーマン・ブラザーズが破綻していて経済界は暗雲が立ちこめはじめていた。そして記事を掲載した10月2日以降に株価が暴落し、今の時点まで底を這いずりまわっている。

株価は2008年前半の6割にまで下がり、おまけに円高で各企業軒並み緊急対策に大わらわの今日である。株の上がり下がり自体は世の常ではあるが、アメリカでは自動車のビッグ3も怪しくなり、従来の金融政策から産業政策まで批判とか見直しの議論も起こっている。

自動車は今日の社会では不可欠なものであるにもかかわらず、それを支える産業が成立しないのはおかしな話である。世の中は需給がバランスするようにメカニズムが働くはずなのに、供給側がメカニズムに対応し難くなっているのだと考えられる。需要家への対応とは商品開発とか、雇用調整でコスト削減という外見で分かりやすいことだけしていてもダメで、供給側の会社の経営そのものに需給のバランスを崩す要素があるのだろう。

同じ苦境にあっても日本のメーカーの方がマシなのは、自助努力を積み重ねた分が多いからだろう。 ともあれ政治経済の世界が既存の打開策が効かなくなって、経営改善の方向を見失ったかのような「ゼロリセット」の事態になってしまったので、グラフィックアーツの業界の「ゼロリセット」など小さい問題と言われてしまうかもしれないが、この業界も需給のバランスは大きく変わりつつある真っ只中にいる。

少し前までは廃業したい印刷会社の今までの営業権を継承したくてM&Aしようという話もあったが、今はサービスの中身が問われる時代になって、発注者とよい関係を築いていない印刷会社を継承するところは出てこなくなった。 「ゼロリセット」からの再出発は、大量生産・大量消費指向の見直しと、クライアントのビジネスに沿ったサービスであることを、上記の記事には書いた。

PAGEというイベントは、そもそもDTPやネットの時代になって発注者も受注者も同じようにIT化するので、協調して効率化できるはずである、というコンセプトで開催されたイベントである。PAGEにおけるさまざまなソリューション提案は、まさにこの「ゼロリセット」の時代にふさわしいものであることを、「限界の明確になった過去のプロセスを捨てる 」に書いた。

日本のおかれた経済環境の厳しさにも関わらず、同じものを売っても一般店舗よりも通信販売が健闘しているのも、複雑な流通経路に販売をお任せするのではなく、顧客の声をよく聞く仕組みを持っていたからだろう(参考「顧客とダイレクト接点で伸びる通販 」)。ではグラフィックアーツ業界のようなBtoBにおいてはどのように「ゼロリセット」から再出発するべきだろうか。専門業者が今までのように絶大な設備の差で発注者を縛る要素はなくなりつつある。

むしろ発注される内容にふさわしいプロセスを選択できるようにするのが、最適化に一歩近づくものではないか。記事「WinWinは、本当に有り得るか? 」では、設備中心の考え方である「顧客の囲い込み」ではなく、お互いの垣根を低くしてパートナーとなれるようにすべきと書いた。

そのためにはお互いにノウハウを公開すべきところも必要で、そこからお互いのムダを見つけて排除し、さらに顧客の業務にプラスの要素を創り出していくことができると、本当のパートナーの関係になれる。

PAGE2009初日の基調講演では、変化を始めた一般企業のメディア発注に至るまでの情報管理や、Webと印刷のクロスメディア化のための努力、およびパートナー企業とのコラボレーションの経験など、発注者内側の革新・進展を取り上げ、印刷会社など関連パートナーに対してのこれからの要望も語っていただく。発注側に意識を合わせて、昨年の売上ややり方を踏襲する惰性のメディアビジネスに終止符を打って、「チェンジ」の船にクライアントと一緒に乗り込むことをPAGEは提言します。新しいグラフィックビジネスの船出はPAGE2009 から。

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