本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
10月20日、第10期試験の合格者Web発表を行った。先日開催された認証委員会の講評より、試験の取り組みに関する内容を一部紹介する。
カテゴリー別出題範囲において、「経営概論」および「IT概論」については平均正答率が80%を超えた。また「デジタルコンテンツ」についても 70%を超えた。学科試験のみで見ると合格ライン到達者はこれまでになく高かった。問題集により対策が進んでいると思われる。
ただし、傾向として毎回正答率の低いジャンルが存在する。例えば「メディアリテラシー」「フェアユース」「フィード」など。また、デジタルコンテンツ白書や、電通発表の「日本の広告費」、内閣府による「消費動向調査」など、市場規模やシェアなどの最新の資料に目を通すことをお薦めする。
過去問題を公開したこともあり、対策はできている。最後まで書ききれないというケースはかなり減った。しかし、提案のどこに狙いがあるのかがはっきりしない傾向にある。
問3(メディアで出来そうなこと、ターゲット)をそのまま提案書に落とし込んでおり、一貫性や整合性が乏しい。与件からのキーワードは拾えているが、そこからどのような狙いで提案内容が組み立てられているのか、どうして競合に勝てる(採用される)提案内容となりえるのか、といった点に難のある答案が多かった。
ただ書くだけ、文字を埋めるだけ、では実践での課題解決に役立てられない。例えば与件を100字に要約し、周囲の人にレビューしてもらうことも効果的であろう。分析能力やヒアリング能力を鍛える機会にもなる。
次回第11期試験は、カリキュラムの見直しもあり、出題の変更も予定している。学科試験でも論述試験で問われているような内容が盛り込まれる可能性もあるだろう。
ただし上記にあるような、提案書を組み立てるといった受験に向けた勉強方法が大きく変わるということはない。詳細については12月に発表を予定している。