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売上が無料公開後25%拡大した書籍
月刊『プリバリ印』8月号・連載「クロスメディア時代の出版印刷」の記事より一部をご紹介します。
※※※以下本文より抜粋
五木寛之氏の長編小説『親鸞』(講談社)の上巻がネットで無料公開された後、上下巻ともに書店での売上が伸び始めたという。iPadに書籍や雑誌のコンテンツを積極的に配信する試みも激増している。
出版コンテンツのクロスメディア展開への流れを、紙の本の市場を縮小させる「黒船」になるとする報道が多いが、新たなプロモーション手段として市場を活性化させる「救世主」という側面もある。

『親鸞』上巻の無料公開は、「若い世代が書店に足を運ぶきっかけに」と、作者である五木氏自身の発案で実施された。期間は5月12日から6月18日までの限定であったが、公開直後から上下巻ともに書店での売れ行きが伸び始め、伸び率は25%を上回ったという。
また、無料公開サイトのページビューは公開最終日までに42万件を記録したという。
ネットで無料公開などしたら本は売れなくなる、とする通説を見事に打ち破り、クロスメディアに展開された「フリー戦略」によって、縮小傾向にある出版市場が刺激された事例である点が注目に値する。
※※※本文より抜粋終
月刊『プリバリ印』8月号・連載「クロスメディア時代の出版印刷」では、渡辺淳一氏の『死化粧』(朝日新聞出版)無料全文公開の試みがあらたな読者層を開拓した例や、マーケティング戦略としての活用、クロスメディアからグローバル化という視野も入れた見解などが述べられている。
池田敬二[いけだ・けいじ]
大日本印刷(株) 市谷事業部 ソリューション推進本部
1994年東京都立大学人文学部卒業後、大日本印刷に入社。入社以来、出版印刷の営業、企画部門を歴任。“混迷の時代こそ面白い”がモットー。趣味はジャズと空手。JAGAT認証クロスメディアエキスパート。日本電子出版協会 クロスメディア委員会委員長。JPM認定プロモーショナルマーケター。
印刷の価値を新たに創造する月刊誌『プリバリ印』8月号 (8月10日発売)
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