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マルチメディア放送がもたらす「あたらしい感動」の可能性(報告)

掲載日: 2010年08月06日

7月30日、3研究会(クロスメディア研究会、テキスト&グラフィックス研究会、プリンティング・マーケティング研究会)の合同開催という形で、無料セミナーを行った。テーマは「マルチメディア放送」である。

当初クロスメディア研究会では2010年度の活動の中で、先進的な内容となるセミナーを開催検討していた。マルチメディア放送や、セマンティック技術、RFIDなど今後のICTでの重要テーマがいくつかあり、それらと印刷関連業との関わりを模索していくものである。今回のマルチメディア放送をテーマとして 選んだ理由は、これが昨今のデジタルサイネージや電子書籍についての関心期待と同じような状況が、数年後に確実に来るのではないかと予想しているためである。そのときに乗り遅れないため、今から情報収集しておく必要性を検討していきたい。

7月30日の開催日時点では、VHF High帯に認可される1社が確定していない。今回はNTTドコモや各テレビ局、広告会社などの連合である、株式会社マルチメディア放送の経営企画部長、石川昌行氏にお話しを伺った。

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あたらしい感動

マルチメディア放送と呼ばれているものをおさらいすると、2011年に地上アナログ放送が停波する。その後の空いた周波数帯域に対して、新たな「携帯端末向けマルチメディア放送」の活用が総務省情報通信審議会のもと検討が進められているというものだ。もともとの地上アナログ波の帯域が分割され、そのうち207.5MHzから222MHzの間の14.5MHzが全国向け放送として割り当てられる。これは地デジ放送の2ch強ぶんくらいにあたる。免許交付事業者決定予定が2010年、アナログ停波が2011年、そしてマルチメディア放送開始が2012年と予定されている。
サービスの概要としては、これまでにない蓄積型放送(ファイルキャスティング)と、高画質・高品質なリアルタイム放送(ストリーミング)で、「あたらしい感動」を届ける、というものである。
リアルタイム放送(ストリーミング)については、現在のワンセグ放送と同じようなサービスであるが、ワンセグがQVGA(320x240)の解像度でなおかつ15fps程度というものに対して、VGA(720x480)、30fpsを実現しようというものである。ビットレートや符号化形式にもよるが、実質はSD画質やDVDクラスまで引きあがることになる。端末サイズが大きくなっても精彩さが失われない。
蓄積型放送(ファイルキャスティング)が肝だが、こちらはコンテンツを自動的に携帯端末に蓄積させておくという仕掛けである。放送波にのせてファイルを送りだすのだが、ファイルなので映像に限らず音楽、ゲーム、新聞、書籍などなど、あらゆる活用法が考えられる。あらゆるデータが端末に自動的に蓄積されて好きなときに利用する。スパムとならないよう、ここにレコメンドを被せていくことで、個人ごとに利用しやすいスキームを取る、ということである。これが機能すれば、例えば夜の間に端末にコンテンツが蓄積され、朝、その日発売の雑誌などがすべて揃っていて、その中から読みたいもの購入したいものを課金なりを経て読む、といったことが可能性としてある。

他の特徴に、柔軟な帯域利用がある。リアルタイム放送と蓄積型放送が同じ14.5MHzの中で混在するわけだが、その境界(配分)を自在にコントロール可能で、ある時間帯はコンテンツダウンロードの負荷を軽減し、ある時間帯はニュースやスポーツなどリアルタイム放送の負荷を軽減するといった具合である。
他にも、受信状況の補完仕様がある。データの欠落を通信で補うというものである。放送網で受信したデータのうちロスしたものを通信網から再度拾ってくるという。そしてこれらの補完処理を、バックエンドで自動化するというものである。
他に、携帯端末ならではの機能として、検索機能との連携、SNSやブログなどのコミュニケーション要素、GPSやおサイフケータイとの連携など、様々な特徴を備える。

今後の展開として(まず免許交付があるが)、月額制など利用者から指示されるような体系をつくること、それと対応端末の早期普及などの課題があるとした。これはサービス提供側とキャリアが一緒なこともあり、放送開始後5年で5,000万台をNTTドコモとソフトバンクで仕掛けていきたい、と語った。
印刷関連業との関わりについては、コンテンツベースでの連携などで不可欠であり、また放送開始を2012年としていることもあり、積極的に情報交換を行っていきたいとした。

 

 

 


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