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印刷を提案できる人材育成をめざす
印刷業としては、製造工程での環境対策だけではなく企画販促面に対する環境配慮がより一層求められる。視点を印刷のゴールではなくクライアントのゴールあるいは消費者のゴールに向けることで効率と効果の上がるメディア計画の提案につながる。
熟練・ベテランには長い間の経験から来る安定感ある。しかし時代が安定感より新しいことへのチャレンジを要求するならば、繰り返しの経験から脱皮しなければならない。「進化するベテラン・熟練」である。それがプリンティングコーディネーターである。
紙メディアは経済面からも環境面からも厳しい
これからのメディア環境、社会環境を考えると、個々には印刷物が伸びる産業・企業、あるいは重要となる製品・商品はあるだろうが、総体的に量を拡大をすることは難しい。量を最優先するビジネスから脱却できるかどうかである。
大量生産・大量消費に支えられたビジネスモデルは経済的にも環境的に過去のものになりつつある。かつては膨大な無駄をしてもそれをカバーする経済成長によってすべてが結果オーライであった。しかし今日においては、膨大な無駄は環境負荷となり、国民が負うはめになる。それではCSR(企業の社会的責任)の観点からも許されない。つまり環境破壊の上にもたらされた利益は社会貢献とはみなされないからである。
印刷工程は環境への配慮に多くの努力を払っている。デジタル化、省力化、GP認定制度、CO2排出削減など環境に配慮するための改善をしているが、消費者からは見えにくい。消費者の目には工程内部の専門的な対策は遠い存在であるのは当然である。とはいえ今後ともその努力や広報の継続は必要である。
製造工程だけではなく企画販促面での環境配慮
怖いのは消費者の身近なところで起こる環境問題である。たとえば印刷物の大量投棄や街中で起きるチラシの散乱といったことへの批判や社会問題化である。昨今の紙・インキの偽装問題も含め紙メディアへの環境面からの批判は発注者であるクライアントを直撃することになる。クライアントへの直撃はそのまま印刷業に撥ねかえることは目に見えている。
印刷業としては、製造工程での環境対策だけではなく企画販促面に対する環境配慮がより一層求められるであろう。前者は自社のコストダウンの成果につながり、後者はクライアントの販促の効率と効果につながることになる。ただし環境対策は、印刷内部だけで解決できることと、クライアントやデザイナー、プランナーなど多くの関係者を巻き込まないとできないことが多い。「巻き込むか」「巻き込まれるか」の差は大きい。
メディア計画のリーダー役を
我々の視点を印刷のゴールではなくクライアントのゴールあるいは消費者のゴールに向けることが結果として無駄を排除し、効率と効果の上がるメディア計画の提案につながるのではないか。それを誰がやるのか。先ほど「巻き込むか」「巻き込まれるか」の差は大きいと述べたが、避けて通れない環境問題や昨今の価格競争から抜け出そうと考えるならば、このリーダー役を印刷がやるべきであろう。やろうと思ってもやれない、やれる人がいない、という声が聞こえるが、人材は育て作る以外にはない。やれない、人がいない、という延長では何も変われない。
量から質への転換
デジタル化、ネットワーク化が進めば進むほど道具を使うだけのスキル、ノウハウの価値が低下することはイヤというほど経験をした。道具を何のために使うか、誰のために使うか、どのような効果を予定するか、というクライアントと同じ視点で提案・交渉をすることが求められている。これが量から質への転換である。
量から質への転換で必要なことはトータルな知識を持った人材育成である。以前からJAGATでも言い続けているI字型人材からT字型人材への転換である。機能面からみれば「コーディネーション機能」「ディレクション機能」の強化である。
クライアントの「指示・指定通り」をそのまま受け止めるのではなく、指示の背景にあるもの、指定はベストであるか、効果に問題はないかなどをクライアントの視点で検証することである。その検証過程でトータルな知識と経験が必要となる。
良い印刷メディアの実現に向けて、必要な技術・情報・人材の組合せ、多くの人を巻き込みながらまとめ上げる能力・資質が要求される。ところがトータルな知識・経験をする環境が少ないのも事実である。社内だけのOJTでは無理で、OFF-JTと組み合わせた育成プログラムが必要である。
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