メニューを飛ばして本文へ

  • ホーム

プリント

MIS/JDFと環境対応の動向

掲載日: 2008年12月03日

機材インデックス・テクノプロフィールより[その5]

JDFの規格動向

現在、公開されている最新バージョンはJDF1.3であり、2005年9月にリリースされている。1.3でのトピックは、パッケージやラベル分野の拡張、新聞印刷のワークフロー対応および輪転印刷の強化である。実はJDFが本格的に輪転印刷機に対応したのは1.3からで、最近ようやく輪転印刷機のJDF対応が増えつつある。

JDF1.4は当初drupa2008にあわせてリリースと言われていたが、予定がずれこみ2008年11月にリリースされた。
今回の改訂の主な特徴は次の2点である。
(1)実運用の実績を積むなかで求められるようになった機能の追加
・ネット上でのデータ交換を想定したセキュリティ/認証機能追加など
(2)デジタル印刷への対応
・バリアブル印刷を想定した自動面付けやコンテンツの自動配置機能など

デジタル印刷(DIPI)WGの動き

JDFの仕様は各分野ごとにWG(ワーキンググループ)が作られ検討される。いま最も活発に活動しているのがデジタル印刷のWGである。

検討中の大きなテーマとして、JDF1.4をベースとしたCommercial Digital Printing ICS の策定がある。ICSとは、あるデバイス、ないしデバイス間でデータ交換するときに最低限実装すべきJDFの規格範囲を定めたもので、例えば、製本機用のBinding ICSやMISと枚葉印刷機間のデータ交換を規定したMIS to Sheet-fed Conv.Printing ICSなどがある。

デジタル印刷機用のJDF仕様はこれまでオフィス用を中心に検討されてきたが、Commercial Digital Printing ICSは商業印刷業者によるデジタル印刷機の運用を想定したものである。ここで、キーワードとなっているのが、'ハイブリッド'と'リターゲッティング'、そして'バリアブル印刷'である。

言葉の定義として、ひとつの印刷物の中にオフセット印刷したパーツとデジタル印刷したパーツが混在する、あるいはオフセットで印刷した上にデジタル印刷で追い刷りすることを'ハイブリッド'と呼び、印刷機の選定をオフセットからデジタル、あるいはデジタルからオフセットに自在に切り替えることを'リターゲッティング'と呼んでいる。そして'バリアブル印刷'と対になる概念が'スタティック(静的な)印刷'である。

ひとつの商業印刷会社のなかで、上記のような仕事が混在したときでもスムーズなJDFワークフローが構築できるように、WGの枠組みを超えて製本やプリプレス、あるいはMISのWGのメンバーが随時召集されながら活発に議論が続けられている。

環境対応

2008年は環境サミットとも言われた洞爺湖サミットが行われ、それに先立ち「福田ビジョン」が発表されている。福田ビジョンでは、「低炭素社会への移行は新たな経済成長の機会ととらえるべきだ」という前向きなとらえ方をしつつ、国全体を低炭素化へ動かすしくみとして、排出量取引、環境税の導入、そして「見える化」に言及している。

「見える化」の方策として、イギリスなどで先行しているカーボン・フットプリント制度について取り上げている。カーボン・フットプリント制度とは、「商品・サービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算して、当該商品及びサービスに簡易な方法で分かりやすく表示する仕組み」を意味する。この制度の目的は、消費者が商品に表示されたCO2排出量を見ることで、消費行動を地球温暖化防止に向けて変えることを期待するものであり、2008年7月29日の閣議決定では、2008年度中にガイドラインを取りまとめ、来年度から試行的な導入実験を行うよう目指すとされている。

(株)トークでは、こうした動きにいち早く対応し、原材料から印刷・製本に至る全工程で発生するCO2の排出量の算出を可能とするシミュレーションシステム「EcoLoss(エコロス)Ⅱ」を発表した。同システムは、印刷物の仕様(部数、サイズ、色数、頁数、紙質等)を入力することで最適な積算額と印刷物の製造工程におけるCO2排出量を算出する。また、同システムの利用者(民間企業や官公庁などの発注者および印刷会社などの受注者)に対する環境コンサルティングを軸とする「低炭素化推進プログラム」のサービスを行うとのこと。

これまで印刷業界の環境対応はどちらかというと守り、受身の姿勢が強かったが、今後は企業戦略としての環境対応という、より積極的な姿勢が求められてくるだろう。その取組みのベースとして現状を数値で把握し、その数値削減に向けたマネジメント体制の構築が重要になると思われる。

用紙調達のEDIに向けて

JDFをはじめとする生産技術のデジタル化、自動化が進展する一方で、資材調達などの間接業務は、電話・FAXを中心とした旧態依然とした業務スタイルが続いている。一方で、用紙流通業界では、古くから標準EDIの取組みが進められており、製紙メーカー、代理店、卸商そして物流会社間でのEDIが実現されている。品名(銘柄)コードと取引先コードが標準化されており、VAN業者である(株)カミネットが管理している。

(株)オリーブは、MIS「PrintSapiens」向けの用紙マスタを刷新し、新しいマスタには用紙流通業界の標準品名コードが搭載されている。EDIの実現には商品コードの標準化が前提となるが、ユーザレベルでEDIを行うには、標準化されたコードを自社マスタへ登録するという作業が発生する。用紙の銘柄数は非常に多く、また改廃の頻度も高いので、その登録・更新作業は膨大となる。MISパッケージへの標準コードの搭載は、用紙調達EDIの敷居を下げるものとして期待される。

「2009 グラフィックアーツ機材インデックス」より一部抜粋」

(JDFに関する取材協力 株式会社メタテクノ ビジネス開発本部 事業推進部 花房 賢)

  • JAGATブックストア
  • プリバリ印
  • 印刷のツボ
  • コンテンツ アーカイブ