本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
メディアの多様化に印刷業・印刷関連業がどのように取り組んでいるかの現状調査として、2010年2月、JAGAT会員にクロスメディア対応に関する意識調査を行い「JAGAT印刷業クロスメディアレポート2010」として報告書を作成した(回答企業数203)。
「今後、意欲的なジャンル・キーワードについて」という質問では、「プリントオンデマンド」が41.4%と最も高く、以下「デジタルサイネージ」30.5%、「電子書籍」28.1%、「ネットマーケティング」25.1%、「クラウドコンピューティング」20.2%、「EC」18.7%、「セキュリティ」18.7%、「アクセシビリティ、ユーザビリティ」18.2%、「デジタルアーカイブ」15.3%、「CMS(Content Management System)」15.3%、「SNS(Social Networking Service)などコミュニケーションメディア」10.8%が続いた。
「CRM(Customer Relationship Management)」や「オープンソース」、「AR(Augmented Reality)」らは低い結果となった。調査時期から検討すると「電子書籍」などは今後はさらに意欲的になるのではないかと予想される。コンテンツデータの転用といったデジタルサイネージや電子書籍などが上位となり、クラウドやECなどは若干低い傾向が見られた。
ところが「特に顧客から要求の多いもの」に対する回答は「アクセシビリティ、ユーザビリティ」「セキュリティ」が10.4%と順位を上げていた。それぞれ今後の意欲的なキーワードとして回答はされなかったが、顧客からの要求としては高いということである。
Webの新規立ち上げやリニューアルなどにおいてアクセシビリティの向上はサイト読み上げソフトへの対応や日本語圏以外からのアクセスに繋がるなど、PRにも繋がることで企業サイトとして取り組みが見られる。ユーザビリティについても、顧客満足向上や成約率向上に繋がる改善ポイントでもあり、これからのWebサイト構築には必須となるオプションであろう。
HTML5の策定が進んでいることもありこれらの分野における情報収集も欠かせないところとなるのではないだろうか。この分野は、スマートフォン向けのサイト構築においても効率性を高めるものである。また、「EC」「CMS」も顧客からの要求としては比較的高く、これらの対応力もこれから問われるところではないだろうか。
JAGAT印刷業クロスメディアレポート2010
http://www.jagat.or.jp/books/kaisetsu/crossmedia_report2010.htm
※クロスメディア研究会会員はPDF閲覧可
http://www.jagat.jp/content/view/1973/396/
7/16 Web構築ビジネスの知識を再確認する(クロスメディア研究会セミナー)
http://www.jagat.jp/content/view/2159/395/