- ホーム
標準資料を活用して利益を改善しましょう
たったふたつの標準資料によって、利益管理、現場と整合性のある見積もり、日程計画作成合理化、生産性改善やコストのシミュレーション、さらに競争力の点検が可能になる。
JAGATナビゲーションツアーでは、利益が出にくくなっている現状の中で、ITの有効活用によって緻密な経営を実践することを提言した。緻密な経営の実践とは、非定型な判断を迅速、的確にできるようにすることと、利益自体を部門別、顧客別、商品別に捕らえて、そこからから客観的、合理的に改善施策を考え実施することである。そのために必要なことは、部門別にコストの各要素を明確に把握して、いつでもそれらのデータをすぐに使える状態しておくことが原点である。そして、目的に応じてこのデータを使うアプリケーションを込み込むことによって、
利益低下に関連して価格低下を嘆く声は続いている。しかし、嘆くのは他社が安値で受注するからという批判ばかりで、自らの足元についての話はほとんど聞かない。自らの有本とは、価格と関連する自社のコスト把握のことである。
印刷の通し単価は1色1枚である。それに対応するコストの単位は1胴1時間当たりのコストになるが、このコストは企業によって非常に大きな開きがある。中規模印刷会社4社の実際の数字を紹介すると、一番低い企業で4,050円、次に4,500円、8,400円そして一番高い会社は16,000円であった。実に4倍の差がある。これまぎれもない実態である。4,050円の会社を除く他の3社は、取り扱い製品、印刷設備ともにごく普通の印刷会社と変るところはない。まだ、事実としての平均値を云々するだけのデータはないが、6000円~8000円が平均のような気がしている。
どの企業も生産性が同じならば、印刷コストは上記の1胴1時間当たりのコストに比例したものになる。これらのコストと経済調査会発行の「印刷料金」の単価、そして平均的な作業時間とから利益を試算してみると、8400円の会社でほぼ妥当な利益を出すことができると計算された。同社の実際の受注価格が10%低いと営業のマージン分としての利益(約15%)はほぼなくなるとも計算される。当然、16000円の会社の場合は完全な赤字になる。
現場の生産性は企業によってかなり違うが、1胴1時間当たりのコストが同じでも、例えば、機械の稼働率が10%悪い、あるいは作業スピードが10%遅いと、営業のマージン分の利益程度が消えてなくなるコストになることが計算で確認できる。上記のような状況の中で、自社の実態を知らないで、他社の価格が自社の3割安いからそれは不当な安値と言えるのだろうか?
JAGATの塚田元会長は、その著書(「印刷経営のビジョン」日本印刷技術協会発行)の中で「印刷において、1点1点にこなれた価格が存在することはない」、「正当な価格水準というものは専門家による常識しか頼るものがない」と書かれている。後者については、残念ながら、業界の人が共有できるかたちで存在することは現実にはない。また、「価格はユーザーの満足度に対する対価である」、「営業行為の動機と生産行為の動機と、両者の動機は全く異なるものだ」とも書かれている。後者は、価格とコストはかならしも連動させて考えるべきものではないということである。
上記のような認識を基盤として価格について考えるとしても、最低限やっておくべきことは、自社のコストの現状を把握することである。それも、財務指標を元にした、1人当たり人件費といった全社的なものではなく、先に説明したような部門別の単位当たりコストの把握である。これに作業時間の目標値を組み合わせることで自社の実態を細かくしることができる。ただし、作業時間の目標値を作ることができている会社は、たぶん全体の数%程度に過ぎないようだ。確かに、プリプレス作業や製本加工では作業単位が細かいのでかなり手間が掛かるのは事実であろう。
JAGATでは、部門別のアワーコストを出したうえで、価格競争力のある作業時間目標を算出・分析するサービスの提供を始めた。ナビゲーションツアーの中では時間の関係で紹介することはできなかったが、この分析・算出ツールをお持ち帰りいただけるセミナーやJAGATにデータをいただければJAGATで算出・分析するサービスを提供している。
さまざまな改善も、自らの足元をみるところから始めていただきたい。




