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プリント

世界は10年で大きく変わる

掲載日: 2010年04月24日

デジタルメディアに挑戦する若者が後を絶たないのは、儲かる云々よりも自分にとってやる意味があることかどうかの問題でもある。

PAGEのイベントでクロスメディアというトラックを正面から掲げるようになったのはPAGE2000からで、その時点で「eBookはどこまで進む?」というセッションではイースト・下川和男氏、ボイジャー・萩野正昭氏が話していて、「WEBの普及の今後」というセッションでは日経BP・竹田茂氏が話している。ビジネスとしてみると前者の世界は実は今でもあまり変わっていないが、Webについては日本最大の本屋であり通販会社がAmazonになり、Googleの売上が電通連結売上に相当するところまで世界を作り変えてしまった。AmazonもGoogleも10年前はほとんど知られていなかったのである。

それでも出版界は世界が変わるとは考えたくない人が主流のように思える。ずっとそう思い続けるのだろうから、墓標に「出版は不滅だ」と彫ってあげたい。先輩たちは尊敬しなければいけないが、これからの世界を担うのは若者だから、若者がどんな世界を作ろうとしているのかを見極めるのがビジネスの道であろう。

デジタルメディアに挑戦する若者が後を絶たないのは、儲かる云々よりも自分にとってやる意味があることかどうかの問題でもある。特に若い人がやる気になる仕事を用意しなければ、その企業で働こうという意欲的な人は集まってこない。企業にとって意欲的な若者が一人居るか居ないかで、会社の雰囲気は大きく変わってしまうことを感じたことはないだろうか。

なるべくデジタルメディアには抵抗して、既得権益を明確にして延命することが現実問題だという考えは以前からあったが、最近それが強まりつつあるように思える。しかし既存メディアの過去の利権を最大化することに一生懸命になって勉強し、得意先とネゴシエーションしに行く若者がいるのであろうか? あるいはどこか出版印刷業界の外で支援するところがあるのだろうか。

デジタルのよい点は一緒に動いてくれる若い人に期待できる点であり、企業経営の戦略としては重要である。過去の資産がまだあるうちに若い有能な人に働く機会を提供するのも、今までご飯を食べさせてもらっていた者の義務ではないかと思う。

(クロスメディア研究会  会報「VEHICLE」 252号)

 

 


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