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ブランディングはコミュニケーションの仕組みづくり

掲載日: 2010年03月23日

大学全入時代を迎え、大学では生き残りを懸けてさまざまな差別化の取り組みを行っている。ブランディングもその一つで、明治学院大学では2004年よりアートディレクターの佐藤可士和氏を迎えてブランディング活動を開始した。

第1段階は目に見える形から

まず取り組んだのがビジュアル面でのブランディングである。佐藤氏は「Do for others」という教育理念を大学イメージに合った独特のタイポグラフィを用いて文字組みすると同時にロゴも同じ書体で刷新した。併せてスクールカラーも教育理念からイメージされる黄色に変更した。

次に大学案内や名刺などの公式な制作物のデザインを新しいロゴに合わせてすべて一新した。ロゴタイプが決まってから世の中に発信し始めるまでの期間はわずか3カ月足らずである。身近なイメージ統一から始まり、交通広告や大学グッズ、キャンパス空間設計など次々と同じイメージを展開していった。

第2段階は大学活動の情報発信へ

途中段階として2008年に第三者機関へ委託して今までの取り組みについて効果測定を行った。するとビジュアル面での効果を挙げているが、教育内容・教育理念の発信という点ではまだまだという結果となった。

そこで第2段階では、広報活動を通じて大学の動きを伝えることを始めた。大学広報の基本機能は、学内のニュースや出来事を社会に的確に伝えること、研究・教育機関としての基本情報を積極的に開示することである。さらにコミュニケーション活動としては大学の社会的価値を見いだして、そのビジョンを伝えていくことが必要になる。同学広報室室長の齊藤一誠氏によると、目指したのは「お知らせ広報からの脱却」であるという。

学内広報誌は、毎月4ページのタブロイド版で発行していたものを年5回で32ページ・4色カラー版に変更した。雑誌のようなレイアウト・ページ数に変更することで、一つの話題を深く掘り下げ再読に耐える情報を掲載し、受け取ったほうが4年間保存してもらえるような品質にした。 WebサイトでもYouTubeと提携して情報発信を積極的に行っていった。

対外広告の補完策としては電車広告を始めた。年間を通じて大学の動きを統一したデザイン形式でロゴと大学カラーの黄色とともに発信し、長期間にわたって文脈を培っていくものである。この効果は大きく、公開セミナーの告知を同広告で行ったところ定員の300名を大幅に上回るほどの聴講者が集まった。

創立150周年事業のためのクロスメディア

同学は2013年で創立150周年を迎える。齊藤氏は、「周年行事はどの大学でも行うが、本校では150周年をどう迎えるかを佐藤氏とデザインしていきたい」と語っている。

ブランディングの取り組みは、第1段階では大学のロゴと色が認知され、第2段階ではその形を使って大学の動きを伝えてきた。現在は第3段階として大学の動きを150周年という切り口で揃えながら150周年ロゴや特設サイトの開設などの形で情報発信をしている。

大学のブランディング活動で重要なことは、目立つためのシンボルを作って前面に押し出すことではなく、そのシンボルによってコミュニケーションの仕組みを作っていくことである。

(「JAGAT info」2010年3月号)

 

 


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