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「The Creator's Summit 2009」に見るDTP動向
2009年12月、東京のベルサール汐留で「The Creator's Summit 2009」が開催された。何年ぶりかでショッキングなイベントだったが、まずはトピックスだけを紹介したい。
新聞の救世主「ジャチェック・ウツコ」
ジャチェック・ウツコは(欧米人が日本人より年上に見えることを考慮すれば)少年という感じの、ポーランド出身のグラフィックデザイナーである。彼が新聞のデザインを手掛けるとその売り上げ部数が1.5~2.0倍に伸びるというDTPのマジシャンでもある。彼の手による新聞は欧米で十数種に及ぶが、単なるデザインではなく内容や構造そのものにまで言及している。
彼がしきりに言っていたことは、新聞は紙なのだからその特質にこだわらなければ意味がない。「Newspaperから役に立つUsepaperにならねばならない」というのが主張だ。紙なのだから「読んで得した」「読んだら頭が良くなった」というような満足感を与えない限り読者は減るばかりで、紙ならではのユーザーインターフェイスを持ち、お得感が必要であると力説している。
イメージとしては紙ならではの豆知識集が注で付いている感じが望ましいということだ。ちょうど『R25』テイストを新聞が持つイメージだ。朝日新聞とウツコのポーランドの新聞を並べて比較しても、2倍に増えるというのはにわかに信じ難い。しかし、東欧を中心として欧州は変革に対する意欲が本当に強く感じられる。紙文化を残すべきという頑固さも尋常ではない。北米はそんな頑固さがかなり薄れている感じだ。日本は、危機感は大きいものの実際の変革というアクション尺度では欧米とは比較できないイメージである。
定番「ラッセル・ブラウンのコスプレ」
今回はスタートレックのMr.スポックに扮してのショーだったが、面白いことは素直に楽しんでしまったほうがよいだろう。そういう意味では日本における「ラッセル・ブラウン・ショー」は水戸黄門的な出し物である。
それにしてもアドビ関係者と話をして、今回痛切に感じたのが、DTPコンテンツのスタートがDTPアプリケーション(Illustratorなど)ではなくWebだったり、CGであったり、ゲームだったりするということだ。「それをInDesignでまとめるのがDTPになりつつある」というのが欧米での傾向ということだ。いずれ詳しく述べたいと思うが、かつてワンソースマルチユースと言っていたものが、DTP中心ではなく現実のものになっているということである。
(「JAGAT info」2010年1月号)
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