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PAGE2010を終えて見えてきたもの 記事No.#1631

掲載日: 2010年02月08日

今回のPAGE2010のテーマは「新生グラフィックビジネス」。新技術、デジタル、アナログといった枠を越えて、「顧客視点」からの新しいビジネスの可能を見つけよう、というのがポイントであった。

 

幾人かの経営層の方とお話するなかで、経営数字は厳しいが、印刷会社としてまだまだ「やれること」「やらねばならないこと」が沢山あるのだということを強く実感した、という意見を多くいただいた。印刷ビジネスを「顧客視点」から見直すと、「やれること」「やらねばならないこと」が数多く見えてくるというのが、今日の印刷業ではないだろうか。新分野への進出や業態変革が困難な業種・業界も少なくない中で、印刷業はメディア産業、コミュニケーション産業であることを顧客の視点で捉え直してみると、これからの成長産業ではないか、と思われるほどサービスの幅が広いということに気付くであろう。

PAGEの見所でもあったデジタルサイネージの捉え方もその一つである。「印刷との関係?」「儲かるのか?」「定着するのか?」「メーカーのビジネス?」等々多くの疑問や懐疑的な視点を持つことは決して悪いことではないが、すでに取組み、成功している印刷会社は、サイネージは特別なことはではなく顧客視点に立った販促支援サービスであり、課題解決の手段であると捉えている。それは、従来の印刷メディアとなんら変わらないだろう。躊躇する企業の多くに共通しているのが「印刷物減少への恐怖」である。セミナー会場でも「顧客は当然コストを減らしたがっており、その提案が印刷をより減らすことになるのではないか」という質問があった。しかし、講師は「むしろ印刷を増やせる可能性があると思う」と回答した。短絡的に増やせるものではないかもしれないが、やはり顧客視点に立ちどう考え、取り組んでいくかと言うことが今後の方向性を決定していくことに必要だと言うことだ。

これらの動きは、ある流通業の顧客販促支援が、印刷⇒Webサイト⇒デジタルサイネージと進化したまでのことであり、プロデューサー自身も紙メディアのデザイナーから進化してきただけのことだという。印刷の回りには関連した様々な技術、設備、ノウハウが揃っており、後は行動に移すかどうかなのである。顧客のためと言いつつ、その解決を印刷メディアのみで完結しようとすることは顧客ではなく自社視点と言わざるを得ず、またデジタルサイネージと印刷物を対立軸で捉えるのも時代錯誤である。効果測定をフィードバックし、他のメディアに連携させることやデジタルサイネージを有効活用するため他のメディアとの組合せが必須である。つまり顧客全体をとりまくバリューチェーンの中で、自社が最大に顧客に役立てる位置をどう考えるか、が大切な視点になるのである。印刷物を製造する工程だけのバリューチェーンでは顧客満足度を上げることは困難が伴う。それさえ決断できれば、改めて考え込む必要はないのだ。ただし、サイネージをビジネスにするかしないかはそれぞれ経営者の裁量である。

またこれからの大きな課題である環境対応についても、様々な環境対応製品が出品されていたが、部分的に導入するといったことではあまり意味がないのかもしれない。会社全体のビジネスとしてどのような取組みスタイルにするか、それを顧客にどう理解し共感をしてもらうか。これからは、ますます経営姿勢の真価が問われる時代となり、顧客も従来のような環境対応マークの羅列といった目先のことから、社会のために互いにパートナーと成りえる提案やコラボレーションができる企業であるかを問うてくるようになるだろう。

「印刷付帯サービス」という言葉はよく使われるが、印刷に付帯した、という発想は止め、顧客支援サービスとして自立させることが必要である。またその可能性が顧客視点の大きなバリューチェーンの中に潜んでいるのではないか。

※PAGE2010は昨年同様7万人を越える来場者を迎え成功裡に終了いたしました。皆様のご支援、ご協力の賜物と改めて感謝申し上げます。ホームページや機関誌等で詳細な報告を発表する予定です。