PAGE2010 いよいよ本日から開幕
掲載日: 2010年02月03日
紙への出力とグラフィックス領域の広がりの2つの目標が一致するという理解は…
PAGEは1988年に始まったので、PAGE2010で23年目を迎える。もう欧米ではDTP関連の展示会はなくなったといってもいいので、PAGEは非常に例外的な展示会となった。とはいってもPAGEに出展される内容もPAGEコンファレンスで語られることも過去とは全く異なるものになったといってもよい。DTPと名のつくイベントやプロジェクトは実質1986年から始まるが、1982年頃からジョナサン・シーボルトはDTPを予言し、DTPの進むべき方向を折りにふれてアドバイスしてきたことを、「DTPの過去・現在・未来その1 DTPの発展を振り返る
DTP前史 1980~1984年」に書いたことがある。このシーボルト氏をWatchしながらPAGE展は企画され、オンゴーイングなDTPの歴史を日本反映させようとした。
PAGEの初期にはシーボルト氏を始め、Adobe社の創立者 ジョン・ワーノック氏やチャールス・ゲシケ氏を呼んだりしていた。そして1997年に日本でのDTPの勝利宣言をして、その後は徐々にクロスメディアを含むイベントに変わっていた。記事「狭義の生産性と、広義の生産性」にあるように、今日ではAdobeのツールはDTPの周辺からさまざまなグラフィック分野まで使われるようになって、印刷分野で使われる比重は全体から見ると減る一方である。かつてDTPのデザイナで今はWebも手がける人は非常に多い。PAGEでもDTPからWebは当然、電子book、デジタルサイネージへ、また3DCGへとグラフィックスの領域を広げるネタは採り上げるようになった。
しかしPAGEというイベントのアイデンティティは紙への出力(それが伝統的印刷であれデジタル印刷であれ)にフォーカスしているのが特徴である。ところが紙への出力とグラフィックス領域の広がりの2つの目標が一致するようには、なかなか理解されていないのではないかと懸念される。近年はデジタル印刷への期待が高まっているものの、日本ではそれほどブレイクしないこともこれに関連しているだろう。JAGATのWebでは何度も言っていることではあるが、2000年までは紙のコンテンツが量的に圧倒していたので、紙に使ったコンテンツをデジタルメディアに流用するという流れであったのが、今日では逆転したということに対応できない例も見られる。
かつてデータベースパブリシングとか自動組版と呼んでいたものは、今日ではWebブラウザ経由でサーバ組版という形に変わったものが多い。以前は自動組版した結果を従来どうり顧客に校正してもらっていたのが、今日の方法は顧客が校正作業をするのもWebブラウザ経由になるので、サーバ組版をしておかねばならないとか、以前は校了日から逆算してコンテンツを用意していたのが、先にコンテンツはデータベース化して校正をしておくような、業務の流れの変化が重要である。つまり印刷発注者にとって利便性のよいシステムが採用されるようになるのであって、印刷会社の内側の合理化を越えて、受発注全体の課題解決が求められるのがネット時代である。
さらに発注者は印刷よりも先にデータベースやWebその他のシステムにコンテンツを溜めているので、そこからスムースに紙の出力につなげるのは当然として、先の電子book、デジタルサイネージ、もっと重要なプレゼン資料のような営業ツールなどなど、発注者のコミュニケーション業務を包含するような方向にビジネス展開ができることが望まれる。実際にPAGEに遠方から来られる方は、今ではDTPを見るのが目的ではなく、こういった指向をされている方が多い。
PAGEの展示やコンファレンス・セミナー/ジョイントイベントで繰り広げられるテーマは、グラフィックビジネスの拡大に向けたヒント満載なのである。特にこれから新しいことにも意欲的に取り組んでもらわなければならない若い人には、ぜひ前述のようなPAGEの雰囲気を感じとっていただきたい。今からでも間に合う!。




