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プリント

10年後を考えることがありますか?

掲載日: 2010年01月30日

10年というスパンは考えておかないと多くのリスクを負う。

今twitterでソフトバンク株式会社の孫正義代表取締役社長が、創業30年目を迎えることにあわせて次の新30年ビジョンのための議論を展開している。30年後のCPUは、通信は、メモリは、などいろんな問いがたてられている。30年前というと1980年頃だから、まだパソコンは世の中のほんの一部でしか使われていなかったのが、今では仕事でも家庭でもありふれたものとなり、Googleのようなホストコンピュータを使わない巨大なシステムが地球をカバーするようなことも起こった。さて30年先は? これからの議論に注目したい。

JAGATでは2001年9月18日にシンポジウム「2050年に紙はどうなる?」を行い、その報告の一部が「当面は穏やかで10年後大変化がくる紙媒体?」にある。これはある面あたっていて、過去の延長上に未来があるのではなく、過去から現在の変化の中で新たな要素が付け加わって未来になると考えるべきだなというのが感想である。Googleなどの動きを考えると処理対象の「広がり」は十分対応できるから、これからは「深み」が対象になるだろう。そうすると以前からあった見方ではあるが「コンピュータが人間の脳に匹敵するようになり、人間とコンピュータが直接やりとりできる」(前記シンポジウム)という要素がこれからは気になるところである。

電子書籍・電子Book「参考:新たなビジネスチャンスを生み出す電子書籍市場」についてはPAGE2010でも注目されているが、これはもう今日の課題であって10年後のメディアビジネスは今あるものの単純延長上にはないだろう。今の電子書籍は「書籍」をベースに考えているが、書籍自身にもいろいろな歴史があって、今日までの環境に適合する中で今の形を獲得したので、これからのメディア環境変化を考えると異なる適合をせざるをえないからである。だから今のメディアの形は何故できたのかを解きほぐして再構成することがこれからのメディア設計であろう。PAGE2010では次世代のメディアデザイン[無料セミナー] でそういった話し合いが期待できる。

またメディアビジネスという点では、基調講演トラックでこれから重要視される要素が明らかになる。20世紀に栄えたマスメディアやそれに依拠した広告モデルというのは、戦艦大和のようなマンモスシステムであったのが、これから要素ごとに分解されて再構成されていかざるを得ないところがいろいろあるので、ぜひ参考にしてもらいたい。もしこれらのことを考慮しないで、今までどうりに上から仕事が降ってくる流れを想定していては未来がないことは、昨今の広告業界異変で十分身に滲みたはずのことだ。

しかしそれに代わるような新たな仕事の流れが出来上がっているわけではない。だから新たなメディアのスタイルとそれに向けた仕事の流れが、ビジネスの主戦場になる。凸版印刷が単純に紙のコンテンツをデジタル化する電子出版ではなく、Bitwayという流通モデルを作ったように、コンテンツが活きる場をどう作るか、またケータイ小説の登場のように一体これからはどこからコンテンツが生まれるのか、またアジアへのアウトソーシング・BPO(参考中国人のためのDTPビジネス )によって中小企業でも大企業以上の処理能力を持てるように、既存の版権者以外にどんなところがメディアビジネスのハブになるのか、など今色々なことが画策されていて、ビジネス機会を狙っている。

PAGE2010コンファレンスはこれからのメディアビジネスに野望を持っている人が集まって、意見を交換するにはちょうどいい場所である。逆に将来ビジョンを求めないで、今日当たり前のことや、成功した人の話だけ聴きたい人は混乱するかもしれない。孫社長のように30年先のビジョンを持とうとしている人はそれほどいないかもしれないが、10年というスパンは、考えておかないと多くのリスクを負うだろう。自分のメディアビジネスのビジョンを作り、それを実現・運営していく戦略を作り、パートナーを見つけたりコラボレーションするためのプレゼンテーション能力が今求められているのである。

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