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ある印刷会社では一歩上流に踏み出して、川上のデジタルフローのディレクションを事前に行うDTP運用設計を実践し、品質向上と事故削減を実現している。
印刷物の製造工程は、DTPやCTPが不可欠なまでに普及した。それに伴い印刷会社ではクライアントから入稿するデータを加工して、印刷用データとして出力することが大幅に増加した。いわば出力センターのような仕事内容になりつつあり、作業の付加価値という意味では従来に比べ低くなってきた。さらに、クライアントから入稿するデータは、完全(制作が完了した?)データが増えてきたが、完全という割にはトラブルが減らないのが現状である。
DTPによる生産手段が従来の専用システムなどと大きく異なる点は、「だれにでも安価なハードとソフトによって比較的容易に、しかも一人でできる」ことである。従って、プリプレスというハードルが大幅に下がり、プロとアマの境界もなくなりつつある。ただし、できるということと、印刷用原稿として適しているということは別問題である。したがって、現在でも印刷会社には印刷用原稿として適さないミスや不具合のあるデータが日々入稿されてくるという現実がある。これらのデータを印刷会社でチェック、修正することは、現場の生産性が悪化し、大きなリスクを伴うのである。
そのような環境の中でも、ある印刷会社では一歩上流に踏み出して、川上のデジタルフローのディレクションを事前に行うDTP運用設計を実践している。この活動の目的は、顧客の要求する品質レベルを確保する印刷・造本設計の実現を目指し、印刷に適するデータを作る為の作業のディレクションも行うものである。DTPディレクターが存在することになり、顧客を巻き込んだ最適なワークフロー構築や工程改善につながり、さらなる品質の安定、向上も実現できるという。
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印刷会社の品質管理と事故防止
2月4日(木) 16:00~18:00