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2008年8月24日に実施された第6期試験について10月29日(水)に合格発表がおこなわれた。第1期~第6期までの試験実施傾向と学科試験の解答傾向について、先日開催された認証委員会の講評より試験の取り組みに関する内容を一部紹介する。
※クロスメディアエキスパート試験とは、顧客のニーズに対応して多様なメディア(クロスメディア)を提案できる人材を認定する試験である。第6期の学科試験では、「メディア概論」、「経営概論」、「IT概論」、「クロスメディア」、「ネットワークとデータベース」、「デジタルコンテンツ」の6つのカテゴリーから、設問59問、問題220問をマークシートで解答するといった形式で出題された。
第1期~第6期までの試験実施により、クロスメディアエキスパート認証試験の認知度も高まりつつあり、受験者が累計で1,000人を超えた。
学科試験については、試験に取り組む時間配分の問題から、最終問題に近づくほど正答率が低いといった傾向がある。これは、これまで実施した試験において、共通して多く見受けられる傾向である。さらに第6期学科試験では、新キーワードが含まれる問題の正答率が特に低いという結果が顕著に現れた。「クロスメディアエキスパート情報マガジン」や「事前セミナー」、「直前模試」により、ある程度の受験対策環境が整備され、基本問題の正答率が上がりつつあることと相反し、技術やサービスの最新動向や新用語に関する問題への対策の必要性が浮き彫りとなった。
学科試験の問題を作成する段階で、内容はあまり特殊なものではなく、検索エンジンで検索をすれば閲覧できる程度のものとしている。出題範囲は広いが、カリキュラムに記載されているキーワードに対し深い知識は求めていない。また、テクノロジーは常に進化し、トレンドも変わる。世間で一般化しつつある技術やサービスの最新動向や、新用語については十分に押さえて頂きたい。これは、日頃からトレンドについては常に気を配っていただきたいとの受験生に対するメッセージが含まれているものである。
少なくとも一日に一回は、インターネットで「ITmedia」や「Impress Watch」、「日経ネット」などを確認し、技術やサービスの最新動向などを調べていただければ、新設の問題には対応できる。受験者の中には、日々の情報収集が業務上必要とされていない場合もあるが、意識的に情報収集を行う癖がついていないと新設問題対応の点で差がついてしまっている。情報収集のメディアとしては、インターネットだけではなく、新聞も推奨する。新聞には、経済や産業における情報のほか、新商品や新キーワードの説明が掲載されているケースも少なくはない。通勤時間や休憩時間などを活用し、新聞に目を通すことで、ITだけではなく、様々な社会情勢やトレンドについての情報が手に入る。仮に、日々インターネットや新聞で、情報の収集にあたっていたとしても、知らないキーワードを見過ごすと意味はない。知らないキーワードについては、常に調べる癖をつけることで、自身への情報が蓄積されるだけではなく、試験の対応が十分できていることとなる。
過去の講評記事:
・ 知識だけでは語れない[第5期試験講評・前編]
・ 事前準備のすすめ[第5期試験講評・後編]
・ 顧客はあなたの提案に納得しているか?[第4期試験講評・前編]
・ 「なぜ?」が解決策を生む[第4期試験講評・後編]
・ 広範な知識が可能性を拓く[第3期試験講評・学科編]
・ クライアントの本質を掴むことがチャンスに[第3期試験講評・論述編]
・ 同時開催のDTPエキスパート・クロスメディアエキスパート認証試験報告[第2期試験実施報告]
・ 第1期クロスメディアエキスパート認証試験を終えて[第1期試験実施報告]