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クラウド導入のメリット・デメリット
たとえばAmazon EC2では、非常に安価に利用できる反面、サービス面ではある程度割り切って使うべきである。
クラウドコンピューティングとは、ネットワーク経由でデータ処理やサーバーなどのサービスを利用するという考え方で、コストやサーバー構築期間が大幅に削減できるなどの利点から、ベンチャーを始め数多くの企業で採用されている。一方では、運用の仕方によっては期待する効果が出ない可能性もあり注意が必要である。
クラウド導入でコスト削減を図る
ネットベンチャー企業のピーポーズでは、専門家が30分、1時間単位で時間を売るサービス「pepoz(ピーポーズ)」というサイトを運営しているが、コスト削減目的でAmazonが提供するクラウドコンピューティングサービス「Elastic Compute Cloud」(以下、EC2)を導入した。
EC2とは、Amazonが本業で使っている大規模データセンターの間貸しであるというとわかりやすい。非常に利用料が安いことが特長で、通常、従業員が数百名程度までの中小企業では、サーバーホスティングの相場は1台5万~20万円程度であるが、EC2では相場の3分の1から5分の1くらいで間に合う。
EC2のメリット・デメリット
導入に当たってのメリットとしては、まず初期の設定料がない。通常必要となるサーバー1台ごとの設定料がAmazonでは不要である。数十~数百台規模であっても設定料は0円なのでサービスの立ち上げに掛かるコストが全然違う。
それに加えて準備に掛かる時間も大幅に短縮できる。例えば、テストサーバーを短期間で欲しいという要望に対して即対応することが可能である。
通常ホスティング会社でサーバーを準備すると5~10日掛かるが、EC2ではすべて自分で設定するので10分程度で準備ができる。さらにサーバーが不要になれば、サーバーを閉じた瞬間から課金が掛からない。必要な期間だけサービスを利用できるので、新規事業にとっては理想的な環境になっている。
一方、デメリットとしては日本語での情報が少ない。有人のカスタマーサポートがほとんどないので、Web上で公開しているマニュアル類や関連情報を参考にする以外にない。従って、英語環境が苦にならないエンジニアやサーバー管理者の確保が必要である。日本でのEC2導入の草分けとなった、検定共有コミュニティ「けんてーごっこ」を運営する学びingを始めHeartRailsなどの企業がEC2の導入コンサルティングを行っているので、そういうところに相談するのも一つの方法である。
またコスト削減目的で導入しても、思ったような効果が出ない場合がある。アクセス件数やデータベース処理件数の増加によりコストが増えることもあるし、Amazonのストレージ(S3)に置いたデータの転送量が多いとコストが増える。
品質面では並のホスティング会社よりはパフォーマンスが良いが、100%の信頼性を確保することは難しい。以前、落雷でサービスが6時間程度停止したこともあったが、EC2ではベストエフォート型なので信頼度が99.99%ではなく98.8%などサービス品質が少し劣るところもある。
ピーポーズの今泉大輔氏は、「海外のクラウドコンピューティングサービスを利用するのであれば、通常のホスティングではないと割り切って使うことがポイントである」と指摘する。「クラウドは、全く違う発想の人たちが、全く違うオペレーションでやっていると割り切って利用するべきである。日本のようなサービスを期待していくと、いろいろな読み違いや大変な思いをする可能性がある。」
(「JAGAT info」2009年12月号)
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