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    POD で 障害者の職域拡大も 賃貸建物オーナーへの「建物定期報告書」に活用

    掲載日: 2010年03月12日

    オフィス文書をオンデマンド印刷機(POD)で印刷して効率化するとともに障害者の職域を広げるなど、多くの副次的効果をもたらすように活用している大東コーポレートサービスの事例を紹介。

    一般企業でのオンデマンド印刷機導入の好例

    オンデマンド印刷機は、高速で内容の異なる印刷物を印刷(可変印刷)できることに大きな特徴がある。大量のしかも時間的に切迫した文書を抱える企業では、一度はオンデマンド印刷機の導入を検討したことがあるだろう。とは言え、高価なためにそれに見合う生産性が期待できるかを、判断しかねている企業が多い。

    大東コーポレートサービスのオンデマンド印刷機の導入事例は、そうした企業にひとつの判断材料を提供する。同社は、大手賃貸建物建設企業、大東建託(株)の子会社で、大東建託グループの事務処理などを受託する企業である。同社は、障害者雇用促進法が定める特例子会社で、大東建託の方針に基づいて障害者雇用を進めている。

    一般に障害者は、健常者に比べてその職掌範囲は狭くなりがちだが、同社は障害者を雇用するうちに独特のノウハウを育ててきた。そのノウハウをさらに磨き上げ、健常者でも使いこなしが難しいと言われるオンデマンド印刷機の運用を委ね、成功したのである。

    直接の動機は「建物現況報告書」の改善

    大東コーポレートサービスが、オンデマンド印刷機を導入した直接のきっかけは、大東建託グループの賃貸建物管理会社、大東建物管理(株)が従来から作成してきた「建物定期報告書」(以下、報告書)の品質改善にあてるためであった。報告書は、同社が管理を受託している賃貸建物(住宅・倉庫・工場など)について、定期的にオーナーに報告する書類である。

    オンデマンド印刷機導入以前、報告書はチェックリストになっており、全国にある支店の担当者がチェックを入れたうえ、オーナーのもとに持参し、口頭報告と併せて提出していた。しかし、チェックリストだけでは、オーナーは具体的なイメージが湧かず、口頭報告も時間が経つと、オーナー、担当者とも、ともすれば忘れてしまうという問題点があった。

    現在のオンデマンド印刷機で作成された報告書は、従来のものと比べ、格段にコンテンツリッチなものに仕上がっている。そこには、従来のチェックリストではなく、建物外観、周辺、空室内部、敷地清掃状況などの写真を入れたうえに、詳細項目について説明する形式になっている。

    また、現在の入居者がいつ入居したか、いつ退去予定であるか、家賃の回収状況などもデータとして添付されている。これらは従来の報告書になかったものだ。さらに、「お客様センター緊急受付」という、緊急時に入居者へ対応する部門の記録も添付されている。これには、水漏れなど、急を要するトラブルに対して、どのように処理したかということが記載されている。

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    オンデマンド印刷で作成された「建物定期報告書」

    新しい報告書に対するオーナーからの評価について、大東建物管理(株)の川岡氏は次のように語る。「オーナーさんには、大変喜ばれました。今までは建物のことしか報告しておらず、家賃や入居者に関しては、ばらばらに報告書が届いていたのですが、今は建物現況報告書に一括して入っているからです」

    「また、賃貸建物管理会社というのは、24時間、365日、管理のために動いているのですが、それがなかなかオーナーの方には見えにくかった。新しい報告書では、それが文字どおり目に見えるようになったことも、オーナーさんには好評でした」(同氏)。

    さらに、その結果として思わぬ副次効果もあった。
    「弊社(大東建物管理)は基本的に大東建託が建設した賃貸建物を管理しているわけですが、オーナー様のなかには、他社で建設してもらった建物を持っておられる方もいらっしゃいます。こうした方々から、『ほかの建物も管理してもらいたい』という話が、報告書を新しくして以降、急増しています」(同氏)。

    条件を整理し導入機を検討

    大東コーポレートサービスが、報告書の作成を受注できそうだと判断してから、オンデマンド印刷機の導入を決定するまでは、非常に早かった。2007年秋ごろに川岡氏から大東コーポレートサービスの山﨑氏、村田氏に「やるとしたら、相当なスペックのプリンターが必要だ」という話が伝わると、展示会などで各社のオンデマンド印刷機を見て回ったという。その後、2008年2月には導入を決定した。

    最終的にキヤノンのimagePRESS C7000VP導入に至ったのは、次のような事情からだ。まず、印刷から、断裁、製本までインライン(一括)処理できること。これは特に障害者が使うために配慮されたことだ。次に、消耗品費、メンテナンスなどの保守料金がリーズナブルであること。そして、すべてのメンテナンスを1社で行うこと。さらに、「写真の再現性のよさ」だと村田氏は言う。

    現在、3 台が稼働中

    2008年の4月に実機を同社北九州事業所に導入し、実務稼働は同年5月。北九州の事業所には、主に知的障害者が、この事業のために新規に配属されている。オンデマンド印刷機のオペレーションは彼らが行う。報告書はA3が両面で2枚ないし4枚で、発行部数は年間で約60万部にのぼる。「日によってむらがありますが、平均すると2,500〜3,000部程度です。少ない日は1,500部、多い日は4,000〜5,000部になることもあります」(村田氏)。

    この部数では、1台のオンデマンド印刷機では処理しきれないことがわかったため、さらに1台を追加導入し、バックアップ用にも1台と、現在、計3台が稼働している。また、用途は異なるが、東京本社にも1台が導入されている。

    (月刊「プリバリ印」2010年2月号より一部抜粋・全文は本誌にてご確認ください。)

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