本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
クライアントと制作側が一緒にバリューチェーンの競争優位性を確立するためのPAGE2010コンファレンス、概要決定!
9月末にPAGE2010コンファレンススピーカー募集!を行ったところ、50を超えるたくさんの応募をいただきました。誠にありがとうございました。コンファレンスの時間枠が限られているので、入りきらないテーマは別途何らかのセミナー・ミーティングで採り上げさせていただきたく、検討を行っています。応募いただいた方には、お礼として基調講演の招待状を後日送らせていただきます。
PAGE2010は、新生グラフィックビジネスをテーマに
昨今の経済的逆風の中でも、今回のPAGE展示会は前回に迫る出展社が集まりつつある。ただし出展企業の入れ替わりは近年の中でも激しく、かつてのような広くブースを構えてデパートのようにさまざまな展示内容を紹介するところは減り、今回の目玉はこれ!と絞り込んだ出展が増えつつある。これは現在では手広くいろいろな投資をすることは難しいことを表しているが、過去のビジネスの閉塞を打ち破って、小さいなビジネスであってもどこか突破するべきところを探っている方が大勢おられることと一致している。
なかでも2009年中に身近なところでも目にする機会が一挙に増えたデジタルサイネージは、ポスターやプリントとの組み合わせによってさらに効果が高まるように、小さな突破口でもアナログとデジタルのハイブリッドで効果を狙えるものを見つけたいと考えられるようになってきた。その先駆が電子書籍であって、またデジタル・ネットとアナログ製本の融合商品としてPhotoAlbumがブレイクするなど、既存の技術でも応用面で見直しをしていただく機会がPAGE2010である。
PAGE2009では「ゼロリセット」をテーマに「惰性のメディアビジネスに終止符を」と訴えたが、PAGE2010は一歩進んで、新たなビジネスやプロセスの船出にふさわしいプレゼンテーションを選ばさせていただいた。クライアントと制作側が一緒にバリューチェーンの競争優位性を確立するために、今後3~5年後のビジョンを強化するための話し合いがPAGEコンファレンスの主旨であり、それを基調講演、デジタルメディア、グラフィックス、ダイレクトマーケティング、MIS/JDF、デジタルプリントの各トラック/デイにブレイクダウンしたプログラムは、関係の経営者・管理者にとって最も重要なものとなるでしょう。
印刷業が電子化・デジタル化で業務の仕方が大きく変わったように顧客の業務のやりかたもすっかり変わってしまった。SCM(サプライチェーンマネジメント)の一般化で、途中在庫の縮小やワークフローの最短距離化などにあわせて、販促の仕事も組み替えなければならない。最初のセッションは「流通が変わる 販促が変わる」を予定している。
また画像の利用局面もネット広告やアーカイブなどクロスメディア化し、クロスメディア化とともに印刷も含めてそこでは過去とは全く異なるビジネスのルールが現れつつある。いわゆる「勝手広告」、最新鋭の画像テクノロジーと応用例としての「超高精細画像のアーカイブ」、クロスメディア化の中の「コンテンツビジネス」、これからが出番の「Webツール」などのセッションを予定している。
Twitter人気や動画投稿サイトなどに代表されるCGMの成熟や、それらを支える急速な技術革新により、インターネットを使ったビジネスには大きな変化が続いている。今やマーケティングの方法も販売促進ツールも、人々との双方向コミュニケーションの中で展開することが一般的な状況になりつつある。
メディア、コミュニケーションの連鎖を的確に読み解き、新たなビジネスを開拓するために、本格化する「電子書籍」を、実例端末展示も含めてとり挙げる。また「クロスメディア」の名の下に多くのサービスが現れているので挑戦をしている企業を取り上げる。またXoverNightで展開している事例研究の拡大版をお届けする。「デジタルサイネージ」は多様であるがまだ知られていない効果を考察する。また成功事例が増えた「ケータイビジネス」、注目の「Webサービス戦略」を採りあげる。
グラフィックビジネスは、印刷物製作や従来の顧客だけを志向するのではなく、さまざまな場面における情報発信、さまざまな表現を志向することでその応用範囲を広げている。
今日では印刷物とデジタルメディアの相互利用が前提となり、カタログや情報誌、解説書などを発行する場合、Webやケータイなどのメディアでの情報発信を想定したシステムやデータつくりがされる。画像においてもCGの世界と写真融合できるようになったので、「3DCG画像制作とビジネス展開」をとりあげる。応用範囲の広がりでは「デジタルサイネージとデジタル印刷の連携」、「適用範囲の広がる自動組版」、「XMLを活かしたPublishingの可能性」、「WebToPrintと印刷通販ビジネス」などの旬のテーマを、また「オフセット枚葉の印刷標準」を採りあげる。
通信販売を軸とするダイレクト・マーケティングは、ターゲットとなる顧客に情報や商品を直接届ける効率的な販売手法として成長してきた。またインターネットの普及で印刷カタログはネットやモバイルなどとの連動ツールとしてのプラスアルファが期待されるようになった。クロスメディア展開による販促効果の最大化に向けてダイレクト・マーケティングは大きく変わりつつある。そこで「大手通販企業のクロスメディア戦略」、顧客の心をつかむ「売れるカタログクリエイティブ」の実践ノウハウ紹介、会員の顧客満足度向上を目指す「カード会社のCRM戦略」、DMを如何に開封してもらうか、大手の通販企業や通信教育事業者の「顧客の心に響くダイレクトメール」紹介、「新ガイドラインに基づく個人情報保護のポイント」マーケティングからバックヤードまで、通販事業に不可欠な「総合通販のソリューション戦略」および「効果的なエリアマーケティング手法」を採りあげる。
JDFを表面的に見聞きする機会は少なくなったが、規格面、実装面、導入事例いずれも着実な歩みを見せている。海外では、JDFワークフローが得意先のサプライチェーンの中に組み込まれるという事例まで現われている。一方で納期ぎりぎりまで仕様変更が続く生産管理/工程管理の現場はJDF普及が進まない。現場サイドの目線から生産管理/工程管理の今後の在り方について議論したい。
また、収集したデータを的確に分析し、改善(経営)に活かすための手法については、他の製造業の取組み状況を参考にしつつ、印刷業にあったデータ分析について話し合う。セッションは「事例にみるJDF活用法」「工程管理/生産管理を考える」「経営に活かすデータ分析」を予定している。
デジタル印刷は、あらゆる業務用印刷分野において存在感を高めている。Webやケータイによる販促が非常な勢いで進んでいく中で、販促データはデータベース化ネットワーク化されていくので、それがこれからのデジタル印刷の土台となって、オンデマンドによるカタログやDMの制作が本格化し、バリアブル印刷やOneToOneマーケティングやCRMソリューションにまで進化しようとしている。これらに関する提案や新しいソリューションの紹介を「デジタルプリントのWeb2Print」「バリアブルプリント」「Webによるコンテンツ管理とオンデマンド印刷事例」のテーマで行う。
上記のセッションタイトルは一部仮のものを含みます。正式なPAGE2010サイトは12月初旬にオープンの予定です。順次情報を追加しますのでご覧ください。