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印刷ビジネスの大きな変革期を歩んだ『プリンターズサークル』
『プリンターズサークル』は、JAGATで2009年3月号まで出版されていた月刊誌である。もともと通信教育の副読本として創刊され、その後1976 年に月刊化されて一般販売を開始した。以来30年余りにわたって印刷に関わるさまざまな情報を提供してきた。
JAGAT が設立された1967 年は、戦後最長と言われた「いざなぎ景気」の真っただ中で、1968年には日本は世界第2 位の経済大国となった。テレビ・洗濯機・冷蔵庫が3 種の神器と呼ばれ、大量生産・大量消費が景気拡大を加速した。一方で、公害問題が深刻化し、自然環境の急速な破壊が進み、都市への人口集中と過疎の問題が発生した。
1971 年にはドルショックがあり、1973 年にはオイルショックによって、戦後初めての実質マイナス成長となった。印刷産業の出荷額は、1960 年代には対前年比20%前後の伸びが続き、印刷需要が拡大する中で、1969 年には電算写植機が登場し、文字組版の合理化が図られた。また、1968 年に鉛中毒予防規則が活字鋳造、文選、植字、解版部門に適用され、作業環境の見直しの必要が出てきた。一方、熟練作業者の確保、カラー化、需要拡大への対応の必要性から、凸版印刷からオフセット印刷への転換も促進された。
1970 年代に入っても引き続き印刷需要が増加していく中で、技術革新はさらに進んだ。製版カメラからカラースキャナへの移行が急速に進み、1979 年には最初のCEPS(Color Electronic Prepress System)が発売された。また、PS 版の品質向上と高速オフセット輪転機の普及により、印刷方式のオフセット化も急速に進んだ。このような技術革新に対応し、若年労働力不足や熟練者の減少などの問題に対処するためにも業界の近代化の動きも進展した。1971 年に承認された全印工連の第1 次構造改善計画では、文字組版方式の転換を「活字よさようなら、コールドタイプよこんにちは」というキャッチフレーズで推進した。
このころの本誌のキャッチフレーズは、「現場に生きる印刷営業、技術・管理の専門誌」であった。
デジタル化によって変わった印刷業1980 年代に入ってOA 化が進展すると、印刷業界でもパソコン、ワープロ、ファックスなどのOA 機器が活用されるようになった。さらに、ワープロのデータをコンバーターを介してCTS に取り込むことが可能となった。
印刷産業が伸長する中、本誌のキャッチフレーズは、「30 万印刷人の情報誌」に変わった。
1985 年のプラザ合意で急激な円高が進行し、バブル経済に突入する。印刷産業の出荷額は名目GDP(国内総生産)の成長率より2 割ほど高い伸びを続け、情報化・ソフト化の進展の中で、内需型産業として6 兆円規模にまで成長した。印刷業は3K(きつい・汚い・危険)職種というイメージもあって、中小企業を中心に人手不足が深刻な問題となっていた。印刷業界は設備投資を積極的に続けて、作業環境の改善や省力化に努めたが、慢性的な人手不足は続き、また地価高騰によって都市部の地場産業としての印刷業が成り立たなくなってきた。
1985 年にアメリカでPageMaker が発売され、Macintosh によるDTP が始まった。日本にDTPが上陸したのは1987 年ごろで、日本語組版ソフトやフォント、出力環境などの課題は多かったが、JAGAT ではプリプレスのデジタル統合処理の啓蒙を目的に1988 年2 月に第1 回の「PAGE」を開催した。
1991 年に入ってバブルが崩壊する。同年、印刷産業の出荷額は8 兆9286 億円とピークに達したが、翌1992 年から3 年連続してマイナス成長となった。1995 年からの3 年間はプラスとなった。
このころの本誌キャッチフレーズは、「印刷を学び未来を考える」であった。
印刷技術はデジタル化が進み、社会全体のIT化の流れの中で、プリンタやデジタルカメラの普及によって、印刷業界固有の技術は次第に減少していった。また、インターネットや携帯電話の普及、出版不況や新聞宅配の減少などは、紙メディアの危機と捉えられた。そのような状況で本誌のキャッチフレーズは、「デジタル時代の実践印刷マガジン」となる。その後印刷ビジネスが多様化する中で、「印刷ビジネスの現在と未来をつなぐナビゲーションマガジン」と変えた。しかし、その後印刷産業は苦戦を続けることになった。
供給過剰と価格破壊の流れの中で受注量は回復しても受注金額は回復せず、2006 年の印刷産業の出荷額は6 兆8558 億円となり、9 年連続のマイナスを記録した。
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『プリンターズサークル』から『プリバリ 印』へ
『プリンターズサークル』は2009年3月号をもって休刊し、印刷に関わるすべての人に、より充実した内容をお届けする雑誌『プリバリ 印(イン)』として再スタートを切った。
厳しい経済環境、メディアの多様化、地球環境問題など印刷物制作を取り巻く環境が複雑化している状況で、これらの課題を解決していくには印刷業界だけではなかなか実現が難しいと言える。印刷物を発注する側、使う側、印刷会社、印刷関連業界のすべての人たちが課題解決に向けて知恵を絞る必要があり、そのため、『プリバリ 印』では、印刷発注者にも役立てていただける印刷関連情報・知識を網羅し、発注者と受注者の橋渡しができるような雑誌を目指す。
業界の進むべき方向性が、これまで以上に見えにくくなっている今だからこそ、発注者の要望を的確に受け止め、顧客(発注者)視点での積極的な対応を図る必要がある。『プリバリ 印』は、ビジネス拡大に取り組む受注者・発注者の本音を取り上げ、より緊密で合理的なワークフローを構築し、スムーズな印刷物制作を行うための知恵を伝えていく。これによって、印刷受発注者双方の発展を支援していく。
『プリバリ印 』 毎月10日発行




